戦車の砲塔
アハトゥンク気をつけ
今回の講義は戦車の砲塔ターレットについてだ。
結論だけ見たい奴はココから移動しろ。
やぼーる了解!!
初期の戦車には砲塔がなかった。その後戦車が使用され実戦の戦訓を取り入れていくうちに砲塔を装備する事になる。 最初に砲塔を装備したのはフランスの戦車・ルノーFTー17軽戦車だ。これは砲塔以外の点でもすぐれた点をもっているんだが、今回は砲塔に関する事を説明するぞ。
この戦車は第一次世界大戦に参加、戦後も各国に輸出され、第二次世界大戦でも実戦に参加している。最後は砲塔がトーチカにされたりと、まさにこき使われ続けた。
どうして初期の戦車には砲塔がなかったんですか?
やっぱり砲塔そのものがまだ存在していなかったからですか?
それと、戦車には砲塔がついているのがあたりまえだと思っていたので、砲塔が無い戦車がどんなものかよく分かりません。
ヘッツァー軽駆逐戦車
ヘッツァー駆逐戦車
砲塔がない場合は上のように車体から直接砲が配置される。ヘッツァーは少々特殊な車両で砲が車体右側に寄っているが、普通は中央部に配置されるな。マルダーは戦車ではないが砲塔がないので参考程度に。
砲塔自体はすでに随分前から軍艦に搭載されている。砲塔自体がなかったわけではない。
このあたりは戦車という物を人類が手にしたのが初めてだったからだろう。何もかも手探りで使い方そのものを見つける所から始めないといけない状態では砲塔がなくても不思議ではない。
ではどんな戦訓から砲塔が要求されたんですか?
まず攻撃面、砲塔があると車体がどの方向を向いていても攻撃ができる。この時代の戦車は止まっていないとまともな射撃ができないとは言え、いちいち車体を旋回させていたら面倒この上ない。
一日首を前だけ向けて生活してみろ、それが多少はわかるだろう。
無理して砲塔を載せなくても車体を動かすという手もありますよ。
車体を動かす作業は思っている以上に手間がかかるし負担も無駄も大きい。砲塔を動かす方が速い。 特に攻勢においてはそうそう進行方向を変えたりするわけにもいかないだろう。進行方向に目的があるから向かっているんだ。
一番の問題は、戦車は不整地で戦闘をするところにある。整地なら駆逐戦車でもかなり早く射撃ができる。それが不整地、泥濘などになると一気に効率が落ちる。
砲塔ならいつも同じペースで旋回ができるわけですね。
しかも、砲塔がない戦車だと運転手と砲手の連携が大変だ。
車長から目標への指示が出ると、まず運転手が車体を敵の方向へ向ける。もちろん運転手からは目標が見えないから、目標が視界から通り過ぎないように慎重にだ。
目標へ合わせて車体を停止、それから砲手が照準を合わせる。固定砲と言っても多少は左右に動くから、車体だけで照準をつけるわけではない。
ただし動作幅は小さいから、きちんとその幅の範囲で運転手が車体を停止させないといけない。失敗したらまた車体を動かす。動けば動くほどクラッチが痛む。
なんて面倒くさい…。
一応小回りの利く旋回もあるぞ。
履帯を左右逆方向に動かして旋回する方法を「超信地旋回」と呼ぶ。
これなら確かに整地なら砲塔並の射撃ができそうです。
……まあこれはこちらが資料を見つけられなかったから起こった事何だが、二次大戦の戦車のほとんどは超信地旋回ができない。
さっきも言ったが違う時代の動画は資料としてはあまりよくないな…。
えぇっ!?ただキャタピラを回すだけですよ?
今でこそをギアの制御技術も機構も精度も高い。だが当時は低い。戦車はマニュアル操作でクラッチやブレーキを多用しないといけない。
そんな状態では履帯を逆に動かす事はできない。
じゃあどうやって車体を旋回させるんですか?
片方の履帯を固定してもう片方の履帯を動かす。当然旋回半径は大きくなるな。そんな状態で砲の照準を合わせるのは大変だぞ。
砲塔を動かせるのならその方がずっと効率がいい。
たしかに自分で思った場所に砲を向けられないはストレスがたまりそうです。
では砲を色々な場所につけるのはどうですか?昔の映像でたくさん砲が付いている戦車を見た事があります。
さらに発想が進むと一つの戦車に複数の砲塔を装備する戦車が誕生する。だがあっという間にすたれた。
多数の方を搭載するデメリットは大きい
・重量が増す その分他の部分に回せるリソースが減る
・必然的に大型化を招きコストが増大する
・必要な人員が増える 指揮が混乱する
うーん、砲をたくさん積んでいると便利に見えるんですが…。
実際使ってみると砲を同時に使用する事はないという事だ。 そこでだ、今回はここに多砲塔戦車の教材としてT−35戦車をもってきた。
す、すごいサイズの戦車ですよ!!
これが多砲塔戦車のデメリットなんですね。見かけは強そうなんですが。
本来ならここで乗って試したいところなんだが、残念ながらクルーが足りない。またクルーがそろい次第追加で実習をするからそのつもりで。
さて、次の砲塔の利点は視界の良さにある。ザフ子候補生、貴様が何か探し物をするとしたらどういった方法が一番効率が良いと思う?
知っていそうな人に尋ねます!!
自分で探せ。
あぅ……。
正解は高い所から探すだ。高い所から見れば必然遠くの物がよく見えるようになる。
そこで車体より大きい砲塔にさらに視察塔(キューポラ)を搭載。こうする事によって戦車長の視界は大幅に増えて、戦車が効率的に動けるようになるわけだ。 視界が悪いと死角を突かれて肉薄される、危険度の高い事柄を見逃す、どれも危険につながる事だ。戦車長の基本はまず周囲を確認する事にあると言っても過言ではない。
前回に言っていたように火炎瓶を投げ込まれてしまうんですね。
対戦車砲に撃たれる、歩兵の対戦車兵器に食われる、対戦車障害物に引っ掛かる、上げたらキリがない。戦車の敵は幾らでもいるんだ。
その為にも現在の殆どの戦車には砲塔があり、主砲一門を搭載する構造が続けられている。
さて、一方であえて砲塔を搭載しない戦車も世の中には存在する。 突撃砲や駆逐戦車と言われる車両だ。 では砲塔を搭載しないメリットは何だろうか。
……よくわかりません。
戦術レベルにおいて重要な点は車高が低い点にある。
それだと中の人は狭くなって大変そうですよ?
戦車の狭さは今日まで至る問題の一つだな。だがどうして大きくしないのか。
それは小さな戦車は見つかりにくい事にある。戦車戦において見つからない事は非常に大きなアドバンテージになる。隠れて有利な位置につき、そこで砲撃を加える。 どこからかわからない場所から砲撃を加えられると部隊は混乱する。その混乱が戦果を大きくする。 ベテランはさらに小刻みに場所を変えて位置を悟らせずに敵を攻撃し続ける。万が一見つかっても小さな車体は弾が命中しにくいので生存率が高い。
ティーゲル戦車のエース「ヴィットマン」も初期では砲塔のない突撃砲で戦果を挙げている。
つまり、同じ性能なら小さい戦車の方が優秀って事ですか?
そうとも言えない。あまり小さくしすぎると乗員の効率が悪くなる。狭い車体の中では迅速な行動が取れない。
人数を減らせば一人当たりの仕事が増える。戦闘がない時でも疲労の具合が激しくなる。このあたりは戦車の設計思想にもよるので一概に何が良いとは言えないな。
たしかに狭すぎると中の人が混乱しそうです…。
だがバランスさえ取れれば優秀な戦車となるわけだ。
1台の突撃砲は5台の戦車に勝るとまで言われる。
それならもう全部の戦車から砲塔を無くしましょう!!
最初に言ったが、砲塔がない戦車は行動の自由に欠ける面がある。
今のような活躍は待ち伏せ等の防御戦の場合の話だ。待ち構えている敵を攻める場合は砲塔がないと不利になる。完璧な兵器などはないんだ。
あぅ…。
今戦車の砲塔の話がでたが、最低限確保するべき大きさはある。
最低でも3人を収容できるサイズは必要だろう。
どうして3人なんですか?
戦車長、砲手、(主砲弾)装填手。この3人が砲塔に入る。
戦車自体にはこれに操縦手、無線手兼前方機銃手で計5人だ。当時の戦車ではこれが一番バランスがいい。
じゃあもしも人数が少ないとどうなるでしょう?
砲塔が二人乗りの場合だと誰かが二人分の仕事をする必要がでてくる。
戦車長兼砲手+装填手
戦車長兼装填手+砲手
中には一人で戦車長と砲手と装填手を兼ねる一人乗り砲塔の戦車もあるな。
なんだか大変そうですね…。
実際大変で、指揮能力が下がる、砲の発射速度が下がるなど問題が多い。やはり砲等には3人は乗っている必要があるだろう。
まだこの時代には自動装填装置は存在していないからな。
ところでどうして専門の無線手がいるんですか?
こここそ誰かが兼ねればいいじゃないですか。
今のように携帯電話を誰でも持っているような通信機器の発達した時代と一緒にするな。
当時の無線は保守作業だけでも高い専門知識が必要だ。さらに電波と通信機の扱い自体にも高い技術と経験が必要だ。
軍用無線は周波数や無線封鎖など任務に応じた使い方も要求される。
彼ら無線手には専門の技術章もあり、それは敬意の対象となっていたわけだ。
戦車の中の博士ですか。
さて、砲塔がない場合には他にも機械的なメリットが存在するんだが、そこは別に講師を呼んでいる。
彼女の話を傾聴しろ。
はじめまして。
うわっ、美人登場ですよ!
わたし、ザフ子と申します。
事情があってまだ名は名乗れませんが、よろしくお願いします。
(美人ですけど、薄幸なふいんきです。きっと苦労しているんですね)
(美人か。この妹にそんな呼ばれ方をした事はないな…)
(そのうちしつこいとか用済みとか言われるかも。可哀想です……)
(化粧の仕方くらいは知っている方がいいんだろうか?)
説明させてもらってよろしいでしょうか?
よろしくお願いします。
よろしくお願いします!!
(せめて私くらいは模範的な生徒になってあげます!!)
それでは私から砲塔の無い戦車の生産面での利点を説明させてもらいます。
戦車から砲塔をはずして固定戦闘室にすると、重量バランスの関係で従来よりワンランク大きな主砲を搭載できます。
そういった利点からドイツは多数の突撃砲や駆逐戦車を生産しています。
砲塔を排除した場合の火力増強の度合いは下に比較一覧を用意しましたので参照してください。

車種
3号戦車M型
3号突撃砲G型
4号戦車J型
4号戦車/70(V)ラング
5号戦車G型パンテル
5号駆逐戦車ヤクトパンテル
主砲 KWK39 L/60 StuK40 L/48 KwK40 L/48PaK42 L/70 KwK42 L/70PaK43/3 L71
主砲口径 50mm60口径75mm48口径 75mm48口径75mm70口径 75mm70口径88mm71口径
貫徹力 100m/垂直RHA 67mm106mm 106mm138mm 138mm203mm
車体前面装甲50mm80mm80mm80mm 80o80mm
避弾経始21°21°15°45° 55°55°
重量 22.7t23.9t 25t25.8t 45.5t46t
車種
6号戦車(P)ポルシェティーゲル
6号駆逐戦車(P)フェルディナント
6号戦車B型ティーゲルU
6号駆逐戦車ヤクトティーゲル
新型38(t)戦車
38(t)駆逐戦車ヘッツアー
主砲 KwK36 L/56PaK43/2 L/71 KwK43 L/71PaK44 L/55 KwK38(t) L/47.8PaK39 L/48
主砲口径 88mm56口径88mm71口径 88mm71口径128mm55口径 37mm47.8口径75mm48口径
貫徹力 100m/垂直RHA 120mm203mm 203mm189mm 41mm106mm
車体前面装甲 100mm200mm 100mm150mm 35mm60mm
避弾経始 35°12° 50°50° 25°60°
重量 57t65t 68t70t 14.8t15.75t

どれも主砲の口径や長さが大きくなっていますね!!
装甲も厚くなってます(避弾経始ってなんでしょう?)
(あれは避弾経始ってなんだろうって顔だ…)
主砲の通用しない戦車は2線級の兵器になるしかありません。
ですが砲塔を無くす事によって第一線でも通じる主砲に換装すればまだ現役で戦う事ができるようになります。
でもそれだったら新型戦車の生産設備を作ればいいじゃないですか?
旧型はやっぱり不利ですよ。
アメリカのような大規模工業力をもたないドイツでは既存の工場設備を利用しないと生産体制を維持できません。
残念ながら古い設備を壊して新しい設備を作るような工業力はないのです。設備を新造している間にも敵はどんどん兵器を生産してきますから…。
その面から言えば砲塔の無い駆逐戦車は非常に理にかなったモノなのです。戦車生産には使えないような小さなラインでも原稿の駆逐戦車を生産できます。
それともう一つ重要な点は、砲塔は作るのに手間がかかる事です。
手間のかかる砲塔を無くす事によって製造コストが大幅に減じます。駆逐戦車なら短時間で数を揃えるのに有利になるので戦争後半はかなり数の駆逐戦車が戦車師団に編入される事になりました。
私はその点で4号戦車のラインは駆逐戦車に回したかったのですが、残念ながら装甲総監の意見もあり実現には至りませんでした。
それはもったいないです…。
ただしこの手の車両には共通した欠点があります。
比較表を見て分かってもらえるでしょうが、どの車両も重量が増加しています。
これは車両の信頼性に大きな影響を与えてしまいます。特に照準の為に車体を旋回させる駆逐戦車にとっては大きな問題になりました。
でもどれをみても1.2トンくらいです。それほど大きな問題には思えません。
戦車にとっての1トンは素人の方が思っている以上に大きいのです。
しかも前面装甲が厚くなり、砲も重くなっています。つまり重量がフロントヘビーになります。これも各部駆動系には大きな影響です。 駆逐戦車の1トンは戦車の1トンよりも影響が大きいのです。実際駆逐戦車のトランスミッションの寿命は戦車の半分程度にまで下がっています。
そう聞くとなんだか欠陥兵器のような気がしてきました。
欠陥…とまではいかなくても、やはりこの手の車両は無理をしている車両と言えるかもしれません。
消耗品として割り切って使う。防御兵器として割り切って使う。そうしていれば問題は少ないんでしょうが…。
それを戦車の代替品とせざる得なかったのがドイツの限界だったんのしょう…。
私からの説明は以上です。
それではまた用のある時は呼んでください。
御講義ありがとうございます。
また機会がある時はよろしくお願いします。
それでは失礼。
ありがとうございました。
さて、では次は砲塔の機械的な面について説明しよう。
まずは砲塔を稼働させる方法だ。初期は言うまでもない、人力だ。
あの重そうな砲塔を人力で動かしていたら大変そうですよ…。
その通りだ。当然その為に機械的な力で動かす事になっていくわけだ。基本砲塔はモーターで動かす。モーターに必要な電力は専用の発電エンジンで確保する。
砲塔の旋回速度はこの搭載したモーターの力に左右されるわけだ。
どうしてエンジンとモーターを搭載するんですか?エンジンだけで動かせばいいじゃないですか?
動力系は故障の原因になってしまいますよ。
貴様はマニュアル車を運転した事がないのか?旋回の時にも話したが、エンジンで物を動かすにはクラッチの操作などが必要だろう。
砲塔の旋回にそんな手間をかけられない。仮につけても邪魔な事この上ない。それだったそういった操作の必要がないモーターで動かした方がいい。
どうせザフ子の免許はAT限定ですよ。
(そもそも免許を取れた事が奇跡だと思うぞ)
砲塔の旋回に伴って重要な機構がバスケット式砲塔(砲塔バスケット)の存在だ。これがないと旋回機構を完全には活かせないと言っても過言ではない。
バスケット?
これは図で解説した方が速い。下に通常の砲塔とバスケット式砲塔を用意してみた。

通常

バスケット


床と砲塔
これは…バスケット砲塔は何がぶら下がっているんですか?
砲塔基部から床がつり下がっている。こうすれば砲塔の旋回に合わせて床も回る。
??
まずは砲塔を上から見てみよう。三角の印は砲手だと思え(本当にこの位置に座ったら駐退機に潰されるな)
??
これを90度旋回させてみると。
中の人は動いていませんね。
一方砲塔と床がセットになったバスケット砲塔だと。
中の人も砲塔と一緒に動いていますね。
これだと余計な作業が減って射撃がスムーズに行える。砲塔や床に付随した物も一緒に動くので余計な作業は必要なくなる。
現在の戦車はバスケット砲塔が基本になっている。
それだけ重要な装備なんですね。
次はキューポラの構造だ。先も言ったとおりキューポラは周囲の視界を得るのに必須の装備だ。
一方でATライフルに狙われると弱い。しかも狙われるのは戦車長だから戦車のソフト面での制御能力は大幅に減ずる。
それでもないよりはマシですよね。
問題なのは防弾ガラス越しだろうと直接覗いている事だ。そこでキューポラののぞき窓をペリスコープをつけた。 これだと防弾ガラスを撃たれても戦車長は(かなり)安全だ。
ペリスコープというと潜水艦についているような奴ですね。
原理は一緒だ。とりあえず参考程度に簡単なイラストを用意した。
ペリスコープ部はかなり手抜きなのでイメージ程度に思ってくれ。
これなら撃たれても弾は戦車長に当たらないで外につきぬけていきそうです。
これで戦車長の安全性は高まった。さらに高めるためにキューポラの戦車長用ハッチにも注目してみよう。
ハッチはヒンジで固定されて押しあけるタイプが基本的だ。一枚板タイプと、二枚板で観音開きにするタイプがある。
なんだか学校の焼却炉の蓋みたいです。
原理的には同じだ。このハッチも一方間違えると危険を呼ぶこともある。それが以下のタイプのハッチだ。
蓋が上で固定されるんですね。でもどこが危ないんですか?
見ての通りこの形式だとハッチが高い位置で固定される。つまり車高が高くなる。
戦車設計の基本は少しでも車高を低くだ。このハッチだと敵に見つけて下さいと言っているようなモノだぞ。
しかもハッチが開いているのがわかるから爆発物でも投げ込まれたり撃ち込まれたりすると大惨事になる。
T-34ミッキーマウス
上のイラストはソ連の主力戦車T−34/76だ。
砲塔部のハッチを見ると上にあがっているのがわかるだろう。これが遠くからだと非常に目立つ。
余談だが、このタイプのハッチを持ったT−34はその形状からミッキーマウスと呼ばれていた。
そんな、高々数十センチ程度の事で…。
その数十センチ程度の事で死にたいのか?
そこで新式のハッチが採用された。少し上に上げてから回転させて開けるタイプのハッチだ。
??
とりあえず図を見てみろ。
たしかにハッチが上にあがっていませんね。
上からと見るこうなる。
一点で支えているんですね。これだったら重いハッチも楽に動かせそうです。
砲塔についての講義は以上だ。ではザフ子候補生、砲塔・無砲塔の特徴を最後にまとめてみなさい。
はい!ではまず砲塔式
・メリット
砲塔による運用の柔軟性
視界の良さ

・デメリット
砲塔の生産は手間がかかる
搭載火力に制限がある。

無砲塔の場合は
・メリット
搭載火力・防御の限界が高まる。
車高が低くなって敵から見つかりにくい。
生産が容易
・デメリット
運用の柔軟性が低く使い方に制限がある
機械的に無理がかかりやすい
よろしい。では次回は混同されやすい戦車と自走砲、突撃砲と駆逐戦車の違いについて講義していくぞ。
今回覚えておくこと

 
・砲塔があると照準がつけやすい
・標準的な砲塔には車長、砲手、装填主の3人が入る
・砲塔をはずして固定砲にすると、ワンランク上の砲を搭載でき、車高を下げられる。ただし重量バランスが悪い。
・床板つりさげ式の砲塔(砲塔バスケット)だと砲塔の回転に合わせて中の人間も動く。




今回の用語
アハトゥンク
Achtung
 言語
  • ドイツ語で「気をつけ」の意味。
  • 英語で言うところのアテンション。
ルノーFT−17
 戦車
  • 第一次世界大戦中、フランスのルノーにて開発された戦車。
  • 砲塔装備と効率的な内部レイアウト等、後の戦車の基本的な構造の基礎となった優秀戦車。
  • WWU時にも現役、終戦まで様々な形で使用された。
ヘッツァー
Jagdpanzer 38(t)
 駆逐戦車
  • アルケット社の突撃砲工場が空襲で打撃を受けた際に、代替としてBMM社の生産能力を利用する為に設計された駆逐戦車。
  • 実績のある38(t)戦車のと新型38(t)戦車の設計を流用したために、4ヶ月という短期間で量産化となった。
駆逐戦車
Jagdpanzer
 兵器
  • 戦車を駆逐する事を目的とされた装甲戦闘車両。装甲付きの自走対戦車砲。
  • 対戦車戦闘に特化した設計(低シルエット・車体・車体の割に大きな砲・厚い正面装甲)で、戦車狩りのみで見るなら戦車5台分の効果があるとも評価される。
  • 砲塔が無いので運用の柔軟性に欠け、戦車の代替品にはならないが、ドイツでは戦車不足を補うために代替品として多数配備された。
  • 低シルエットを利用し、砲塔のない欠点を補うために、待ち伏せによる対戦車戦闘に投入するのが正しい使い方である。
  • 車体前方に砲と装甲を限界まで搭載しているので、足まわりの強度が非常に弱い。駆動系の寿命は戦車の半分以下である。
  • 性能不足で戦車として使用するには型落ち車両でも、駆逐戦車化する事によって防御と装甲をワンランク上げて一線級の兵器にする事ができる。
  • 注釈・以上はドイツ駆逐戦車の設計思想であり、他国の場合は異なる。
信地旋回
 用語
  • 履帯の片方を固定して旋回する方法。
  • 旋回半径が小さい。
超信地旋回
 用語
  • 履帯を左右逆方向に動かしてその場で旋回する方法。
  • 履帯に欠ける負担が大きく、履帯が外れる可能性もあるので多様は禁物である。
  • 設計段階でこれが可能なようにしておかないと使用不可能。第二次世界大戦では使える車両は一部しかない。
多砲塔戦車
 兵器
  • 多方面に同時対応するために砲塔を複数搭載した戦車。1−2次大戦間の一時期にブームとなる。
  • 砲塔を複数搭載したせいで、重い、遅い、高価、装甲が薄い、一砲塔あたりの攻撃力が低い、指揮が困難と問題点が多い。
  • WWUの戦闘模様がWWTと大きく変わったこともあり、兵器として消えていった。
対戦車砲
Panzer abwehr kanone
 兵器
  • 戦車を撃つための大砲。通称Pak。
  • 歩兵の自衛用であり、歩兵科装甲猟兵の受け持ち。
  • 戦車に比べて非常に小さく偽装も容易なので、発見が困難。戦車からしたら厄介な相手である。
  • 大戦初期では軽量であったが、戦車の装甲の増加に従って巨大化、歩兵の手に余る重量に。対戦車榴弾、無反動砲などの進歩もあって一部の兼用砲を除いて絶滅した。
ミハイル・ビットマン
Michael Wittmann
 人物
  • 1914年4月22日 - 1944年8月8日。武装親衛隊戦車兵。最終回級大尉。
  • ティーガー重戦車の戦車長として多数の戦果をあげる。戦車撃破数138両。No5.
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