ある少年の日常と非常の狭間の物語

No.5457

キラ?どうした、こんな雨の中。

お姉ちゃんが、死んだの。

・・・・・・そうか。

お姉ちゃんは優しくて、だからみんな大好きで・・・・それで、
大きな夢があって・・・・それで・・・

もういい、とりあえず中に上がれ。
そんなずぶ濡れじゃ風邪ひくぞ。

いつも祈ってた・・・・
『私の夢が叶いますように』って・・・なのに、

キラ・・・

神様は、それを叶えるどころかお姉ちゃんの未来を奪った。
ねえ慎太郎?そんな神様が今の私を見たら嗤うのかな、
『馬鹿みたいだ』って。

・・・・

神様って、酷いよね・・・

それは違うと思う。

え?

確かにお前の姉ちゃんが死ぬ運命をその神様が作ったとしたら、お前の姉ちゃんを殺したことと同じだろう。
だがそれはきっと仕方なかったことなんだ。

もしもお前の姉ちゃん一人を殺すことを躊躇ったのなら、きっと何万、何億もの人を殺すことなんてできないと思う。
そうしたなら、もうそいつは神様なんて呼べない。
だから、悲しんでもいられない。

そうやって何万の人を殺していくと、やがて悲しみを感じなくなる。

悲しみを感じないことは、何よりも悲しいことだと思う・・・

慎太郎?

だから、もしかすると・・・

一番の被害者は、その『神様』かもしれない・・・


この少年のこの言葉を聞いた『神様の欠片』の一つ。
その存在が

(やっと、決心がつきました。)

世界を大きく変えることとなる。

とりあえずウチに入れ、いまココア作ってやるから。

うん・・・

(さようなら、唯一の理解者。)
 
[間 慎太郎]
[藍原 雪花きら]
[神様の欠片(クオリア)]
[ナレーション]
ある少年の日常と非常の狭間の物語
(リアッカ氏)