第10話
父の呪縛

 

 

 

前回で核攻撃を行った事が何故か一気に世界全土にテレビで放映されました。
映像があるのは不思議ではないですが、一体誰が流出したんでしょうか……。
核爆発とコロニーの置関係からして、おそらくこの映像はザフト側が取ったものでしょう。
軍関係の者だとしたら、国民感情を考慮する政府上層部が許すわけがないでしょうから、コレは闇で流された物でしょう。
もし民間人だったとしたら、ザフトは戦闘中域から民間人を締め出さなかった事になります。
今回の戦争は艦隊戦ですから、地上戦と違い映像を取るには船を出す必要があります。
しかし今回の戦闘はそれこそ国家の存続が係っているわけですから、民間人の船の駐留が認められるわけがありません。……普通なら。
民間の衛星からの映像の可能性もありますが、それもこの状況なら軍部の管理下に置かれるはずです。……普通なら。
………本当にザフトっていい加減な軍隊ですね。
後方に予備兵力も置かないで全軍を一気に正面の敵に当てるような馬鹿軍隊だからな……。

 

 

そんな軍部に嫌気がさしているザフト軍人と元ザフト軍人。
オーブもどっから映像を手に入れたんだ……ザフトが撮影した奴を……。

 

 

そんな色々と大変な状況に置かれているザフトにアスランがやってきました。しかも議長に面会です。
アスランの目的は個人的に議長を説得しようという、非常に個人的かつ自己満足のためにしか過ぎないモノです。
アスランがオーブの全権大使だというなら色々と話すべきことはあるでしょう。オーブの国力はそれなりの力があります。
しかし個人としてアスランが出来る事など現時点では何もありません。今必要なのは現実を変える為の力です。理念ではありません。
ザフトは今ココで失敗を犯せば国が滅びる状況です。議長はやるべき事がいくらでもあるでしょう。
その議長をろくにアポも取らずに会いにいって、さらに何の国益ももたらさない話を聞いてもらおうとする。
ハッキリいってアスランがやっている事はザフトに対して不利益をもたらすモノでしかありません。
そんなアスランに会ってくれる議長……アスランはデコが擦り切れるまで土下座して感謝すべきです。

 

 

核攻撃の事実が知れ渡り、ザフト内部では不安と混乱が広がりつつあります。
ザフトには報道管制という物がないようです。

 

 

一方の地球軍も月基地へ撤退。敵の秘密兵器に色々と考えさせられる所があるようです。
しかし…あのような兵の士気が総崩れの状態での撤退は非常に大変です。皆が焦って逃げるので、撤退ではなく壊走になるからです。
当然そこを敵に突かれて部隊に大変な損害がでます。それまでの戦闘はほぼ五分五分でしたからザフトには充分余裕がありました。
地の利もザフトにありますから、壊走している地球軍に深追いせずに追撃することは充分可能です。
おそらく地球軍には甚大な損害出ている事でしょう。………ザフトがまともな行動を取ったなら。
何度も言うようですが……ザフト軍はマトモじゃないからな……。

しかし地球軍、今後どうするつもりでしょうか?
だいたいザフトを滅ぼしたいんだったら、コロニーを包囲して干上がるのを待てば問題ないのでは…。
ザフトは所詮はコロニー国家ですから、生産力は低いです。特に資源は皆無です。
コロニーを包囲(機雷の大量敷設、小艦隊による航行路封鎖)すれば大変なダメージになります。
無理して艦隊戦に持ち込まず、小刻みに攻撃しつつザフトに物資を届ける船を潰す。
こうしていればザフトはいずれは追い詰めれて無理な行動に出る事になるでしょう。
敵が例の新兵器を使ったとしても、固まっていなければそれほどの被害はでません。
出てきたところを潰し、また持久戦に持ち込む。勝つことではなく負けないように闘う。
最後にはとどめの核攻撃。これで勝利でしょう。

 

 

一方のザフト軍ものんびりしていられる訳もなく、次の戦闘に備えてやる事があります。
後方に予備部隊と高い生産力を誇る国土が控えている地球軍と違って、ザフトはツライ状況です。
現時点ではすぐに消耗した部隊を補充する事は困難でしょう。
ザフトが人的損害を回復するには、訓練生の早期戦力投入、予備役の招集と再訓練って所でしょうか。
さすがに志願者を訓練するには時間がかかりますから(艦隊に必要な人員などは特にプロフェッショナルの集団ですから困難です)無理です。
艦やMSの生産にしても、戦時体制の生産体制を作り上げるのは一朝一夕では不可能。
現行ラインをフル稼働させつつ、さらに新ラインの設立をしてMSの補充。
新造艦の配備を急がせつつ、戦時急造艦の製作を急いで艦隊戦力の補充をはかる。
何をするにしても時間はザフトの敵と言って問題ないのは確かでしょう。

 

 

そんな大変な状況のザフトの議長にアスランは言います。憎しみで闘ってはいけないと。
そもそも先に手をだして来たのは地球なのに、殴られた方に戦いを辞めろと説得する。アホか…。
だいたいアスランは議長がどういった反応を示せば納得するのでしょうか?
こっちからは無茶な事をしないとでも言われれば満足するのでしょうか?口約束に何の意味もないだろうに。
議長はそんなアスランに大人の対応。普通の人間ならとっくの昔にアスランを追い出していることでしょう。
辛抱強くアスランが反発しないように持ち上げて、さらに具体的な約束はしない。
議長…度量の深い人だ。

 

 

ザフト国内では一気に主戦論が高まりつつあります。

 

 

でもラクス様(偽)効果であっというまに沈静化。
コーディネーターはドイツもこいつも揃って単純かつ他人に盲従する性質のようです。
たぶんザフト国内では詐欺やマルチ商法がさぞかし流行っていることでしょう。

 

 

議長、あっさりとラクス様が偽者と白状。アスランを共犯者にしたてる気のようです。
持ち上げて気分をよくさせて、さらに秘密の共有を強制する。
議長のアスラン包囲網が完成しつつあります。

 

 

議長は包囲網をさらに強化。
短視眼で単純なアスランには甘い言葉が非常に有効です。議長もそこをつきます。
MSに乗れば君も色々と世の中の役に立つよ。君にはこの最新鋭機をあげようじゃないか。
でも乗るならザフトに軍籍を置いてもらわないと困るんだ。もちろんバックアップはさせてもらうよ。
そんな感じでアスランを持ち上げてやります。議長の人心掌握はたいしたものです。
当然何か出来るとの聞き心地のいい言葉にアスランが反応しないわけがありません。かなり心が揺れています。

 

 

アスラン包囲網最終カード。昔の女にそっくりの女。男に対しては非常に有効です。俺なら落ちます。
もう偽ラクスからはコビコビオーラがスーパーサイヤ人のオーラ並に放たれてます。

 

 


さらに偽ラクスの攻撃は続きます。
喜んだり、持ち上げたり、落ち込んだりと緩急をつけた攻撃でアスランをどんどん弱らせていきます。
俺だったらこんな初対面の、それも政治家のヒモ付きの女の言うことなんぞ絶対にマに受けません。
相手が真実を語っている保障なんてどこにもないのですから。
でもウブなアスランには一言一言が胸に突き刺さるようです……君は将来悪い女に騙されて身を崩すでしょう。

 

 

アスラン……もう一歩で堕ちます。
でも……馬鹿女(カガリ様)と一緒にいるよりも幸せになれるかもね。
頑張れアスラン!福田と嫁に負けるな!!