なぜなにデスティニー
前回はMS視点から見た戦闘を考えてみました。
今回は逆に艦から見た戦闘を考えてましょう。
艦は多量のMSから攻撃されるから大変ですね。
しっかりとした迎撃能力を持たせないと。
その迎撃能力ですが、よく単艦のみの迎撃能力を論じる人がいます。曰く対空ミサイルがどうこうだのCIWSがどうだの。
実際にはそれらを論じる事にそれほど意味はありません。以前の飛行MSについて考えてみた時に言ったでしょう。対空戦闘は片手間にできるような事ではないと。
下手に対空戦闘しようものなら、陸にいる敵に撃破されるって奴ですね。
そうですね。あの時の結論はこうです、下手に対空能力を持たせるよりも対空車両を用意した方がよいと。
つまり艦にも対MS専用艦を作るべきだと?
それは半分くらい正解ですか。たしかに対MS、対ミサイル専用艦という物も有効でしょう。
しかし実際には対空だけ、といった艦はあまりにも使い勝手が悪いかもしれません。なにしろ艦にはある程度色々な事を要求されますし、それが可能なペイロードもあります。
この辺は編成と数次第です。
確かに大規模なMSに攻撃される機会は限定されていますからね。
平時では艦同士の戦闘や、少数のMSを交えての戦闘もあるでしょうから。
今回は大規模な戦闘について考えましょう。一応戦艦の話の延長でもあります。
対MS戦闘における鉄則ですが、これは単一の兵器の能力で行う物ではなく、組織とシステムによって行う物です。
まあ簡単に言えば役割分担ですね。
つまりしっかりと防衛マニュアルを作ると?
そう言い換えてもいいかもしれません。如何にして全体として効率よく敵を落とせるシステムを作るかが鍵です。
艦ではありませんが、カムフーバーラインについて調べてもらえれば、いかに迎撃する事が大変かわかってもらえると思います。
ルフトヴァッフェ夜間戦闘機隊の戦闘システムですか…。
たしかビーコンを利用して一定区域の夜間戦闘機を任意の場所で戦闘させたりしていたような。
それはまた興味を持った人に調べてもらいましょう。
それで艦隊防空戦、とりあえずこう呼んでおきましょう。
守るべき対象は当然空母と戦艦です。これが艦隊戦の鍵になる以上、とうぜん撃破されることは論外です。
実際に戦艦が役に立つ事はありませんけどね…。
実際にはそうでもありませんよ。
さて、これらの対象を守るべき戦力は、MS、護衛艦、もちろん戦艦自体の防空能力もありますね。
空母は基本的にその手の能力はないので割愛です。
実際に迎撃に必要な手段としては色々とあります。何が一番いいかはわかりませんが、一例を挙げてみましょう。
まず第一に発見手段を用意する。
イージス艦でも用意しますか。
この世界はレーダーの信頼性が低いですから…。もちろんレーダーによる哨戒網、艦とMSによる目視が基本ですか。
目視はレーダーに比べるとたいした事ないように思われがちですが、実際には目の届く範囲では有効な手段です。
偵察機もでてきそうですね。
あの字が間違っていた偵察型のMSもありましたね。
もちろん偵察機は非常に重要ですが、これはMSよりも艦隊発見の方が主任務でしょう。
何しろ基本見える範囲でしかMSは発艦しませんから。
さて、こうして発見したMSを最初に迎撃するのは、同じくMSです。
MSは艦よりも小回りがきき、護衛任務なら艦同士の戦闘にも関与せずに戦えます。相手が少数ならこれだけで何とかなるでしょう。
つーかタネの世界じゃこれが一番重要な迎撃方法ですよ。
それが一番派手ですからアニメとしては仕方がないですよ…。
さて、この時に重要なのがMS迎撃の順番です。当然各自が好き勝手にやっていたら効率が悪いです。
まず重要なのが、対艦MSにくっついている護衛MSを落とす事は重要ではない事。
あたり前ですが、どれだけMSを落とそうとも、最終的に艦を攻撃された意味はありません。
極論から言えば一機も落とす事が出来なくも追い返せれば任務完了。
逆に全機落としましたが艦隊の被害も甚大では任務失敗です。
前に言った、任務の正否は被害の大きさではなく目的を達成しているかである。って奴ですね。
そうです。その事から考えるとまず第一に狙うべきは対艦装備をもったMSです。というよりもそれ以外ありません。
護衛は倒さなくても引き離せれば十分です。さて、そうはいっても実際には護衛は襲ってきます。これをどうするか。
それは色々方法はあるでしょうが、基本は小隊単位などでしっかりと指揮系統を作り上げ、どんな状況にでも対応できるようにしておく事です。
ああ……その時点でもう不可能だ……。
と、とりあえず指揮系統さえしっかりしておけば、分業も可能です。
B−17のような重爆を相手にするわけじゃないですから、基本対MS装備で対艦MSは撃墜できます。
となると後は状況に合わせた役割分担となるでしょう。もちろん鉄則はありますよ、編隊はどの方角から攻撃する、編隊長機を落とすなど。
あとは護衛の引き離し方などですか。護衛にしても迎撃機を落とすのが目的じゃない。なかなか難しいだろう。
このMSの防空網を潜り抜けて来たMSを追い返すのは、護衛艦です。
護衛艦は当然の事ですが陣を組んでいます。陣を組む事によって死角をなくし、効率的に迎撃するのです。
もちろん敵艦の突撃にも対応する事を要求されます。
護衛艦の基本攻撃はミサイルと砲です。ある程度距離がある時はミサイル、さらに距離が詰まれば大口径砲、最後はイーゲルシュテルンのようなCIWSです。
もちろん護衛艦も止まってはいないので、状況によっては自分で動いて攻撃をします。
またこの迎撃は単艦ではなく複数の艦と共同で行います。なにしろMSに比べて射程が長いですから、攻撃範囲をカバーしあえます。
こうやって上手くやれば火山の噴火口のような対空射撃を実施できるわけですね。
そうですね。もちろん射程範囲に入れば戦艦自身の対空砲火も使用します。
実際にこれだけの攻撃にさらされてどれだけのMSが攻撃を実施できるか、またそれを命中させられるか…。
あとは純粋に数と技量の問題………か。
当然このような攻撃は多数の迎撃されるMSも出る事でしょう。
理想から言えば攻撃を終える、あるいは失敗して離脱したMSを攻撃したいところです。護衛艦は射程にある限りは攻撃を実施、
護衛MSも余裕があるようなら一定の範囲内で攻撃をしたいところです。
何か、本当によほど大規模な攻撃でない限りMSは悲惨な目に遭いそうだ…。
そうですよ。これは空母が実用化された時からの一番の欠点です。
艦載機は汎用性があり強力な攻撃力を持つ反面、消耗が早く、消耗しても簡単には補充が利かないのです。
だから、中途半端な格納庫を持った艦は役に立たないんですよね。
また、コレも余談ですが、史上初めて大規模空母による戦闘を実施した大日本帝国海軍、実は彼らが組織的に空母を運用できる形にしたのは1944年くらいなんですよね。
それまで艦隊編成は基本的に艦砲を中心とした戦闘形式に対応していました。やっぱり組織として砲術畑の連中が強かったんですよ。
その結果が、空母その他の烏合の衆で編成された部隊がやられたミッドウェイです…。
さて、こうしてMSに守られた戦艦たちですが、実際に戦闘にどのような影響を与えるのでしょう。
戦艦ですから、当然砲撃戦をやるんですよね。
はい、もちろんそうです。
戦艦の大口径砲は射程範囲内にある限りは脅威です。
しかも宇宙での戦闘は基本的に戦艦の射程が一番長いです。つまり交戦距離も基本は戦艦の射程範囲内になります。
でも、砲撃力で劣っている方が距離を取ろうとしたらどうするんですか。
砲撃距離以上に距離を取ろうとすると、必然的に敵から逃げる事になります。
よほど速度差がない限りはそれは難しいですし、基本的に逃げながらの攻撃は難しいんですよ。
戦艦の砲撃の命中率は、砲の数に左右されます。
砲撃にブレがでるので、それを砲の数による範囲の増加によって補うのです。
戦艦の主砲が3連装だったりする事の理由ですね。
たしかミネルバの実弾砲も3連装でした。
こうして射撃を繰り返し、そのデータを流用してどんどん正確な射撃にしていくわけです。
もちろん相手は動いたりしますから中々難しいんですけど。
実際にどれくらい当たる物ですか?
実際の命中率は数%程度だと思われます。この辺はもう最近は艦艇における砲撃戦自体がないので正確には…。
ですがそれは100発撃てば数発は当たるというコトです。
相手が小型の艦ならまず一撃。戦艦でもMSの攻撃よりも威力は数段大きいです。
なんか…戦艦だけでも勝てそうですね。
そうは言ってもMSはやはり鬱陶しい相手である事は間違いありません。
MSがこちらにダメージを与える手段を持っている限りは不必要というコトはないですよ。
ただ、MSと戦艦以外にも怖い相手はいます。巡洋艦や駆逐艦です。
これらの艦は小型であるので、砲は劣ります。しかし戦艦と同じ威力のミサイルは装備する事はできます。
魚雷と同じ、大型プラットホームを要さない武器ですか。
ミサイルは命中率は低いですし、迎撃もされます。
しかし艦のミサイル管制能力、搭載能力はMSより数段大きいです。
時期さえ見計らって接近して、ありったけのミサイルを撃ち込めば、上手くやれば戦艦だって沈める事が可能です。
そうはいっても、下手をすれば距離が近づく事によって命中率の増した砲撃に晒される事になります。
失敗した時には被害は相当大きな物になるんじゃ…。
ですから攻撃にはよほどタイミングを見計らわなくてはなりません。
もちろんMSとの連携も重要です。艦数で劣るだろうザフトは特に注意が必要ですし、また突撃自体の重要性も高いです。
なんか…本当にMSはあくまでも戦闘を構成する兵器の一部でしかないですね…。
聞いてる範囲じゃ、MSだけでは絶対に戦闘には勝てなさそうだ。もちろんMSなしでも勝てるとは思わないが。
結局、戦闘は手持ちの札を完全に活かしきるのがあたり前なのです。
せっかく艦があるのにそれを腐らせるのは、戦力の無駄遣い以外の何者でもないのですよ。
艦を戦闘に参加させる気がないのなら、いっそ割り切ってもっと別のMS重視艦を作ればいいのに。
それが出来ないのがこの種という世界の限界なんでしょうね……。
さて、ここまでであらかた戦闘については説明し終えました。
次回……ついに最終回となります、これからの宇宙戦闘の話をして締めくくります。
……やっと最終回か。
……まだ本編のレビューがあるが。
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撤退