なぜなにデスティニー・第9回
今回こそ最後です!MSと航空兵器のお話。
まだやるんですか…?
やります!前回では航空兵器にガンシップを入れ忘れたり細部に拘っていなかったりしています。 今度こそできるだけ良いものを話して見せましょう。
それで、何から話をするんですか?
ともかくMSと航空機に関するお話です。 まずは祐一さん、MSを危害を与える可能性がある航空機を挙げてください。
えー、
B-52を代表とする戦略爆撃機
F−15Eを代表とする戦闘攻撃機
A−10を代表する攻撃機
AH−64を代表とする攻撃ヘリ
AC−130を代表とする制圧機
これくらいですか。
まあそんなところでしょう。ではそれぞれの航空機の特徴を考えて見ましょう。
まず戦略爆撃機です。これはMSに対してほとんどダメージを与えられません。この手の爆撃はあくまでも施設を破壊を目的としたものですから。 とりあえずマトモな防空設備にMSを収容しておけば問題ありません。これはユーゴで戦略爆撃機による綿密な爆撃でも戦車にたいしてダメージを与えられなかった事からみても間違いないでしょう。
次に戦闘攻撃機。これは怖いですね。ただでさえ電子戦有効性の低下によって攻撃を察知し難い中で大量の爆弾を落としていくんですから。
次に攻撃系の航空機です。これらは直接的な脅威は一番大きいです。何しろ対地攻撃を専門とした兵装を持っています。そして陸戦兵器はそれを回避しようがない。 こちらに戦闘機によるエアカバーがない限りは殆ど一方的に攻撃を受ける羽目になります。
しかしこの世界じゃ本格的な制空戦闘はおこっていませんよ。
そもそもこの世界じゃ本格的な戦闘なんてありませんが?
いや…それはそうでしょうけど。
基本的に制空権は連合側にあると考えていた方がいいでしょう。ですから制空戦闘も行われません。
本拠地が宇宙にあるザフトと異なり連合側は陸が本拠地です。航空機の発展は当然連合の方が上でしょう。機体とパイロットの頭数も十分です。
何しろマトモな航空機は一朝一夕では開発は不可能。長い間の技術の蓄積があって始めて成しえることなのです。もちろん大量の予算と開発期間と引き換えにです。
基本的に制空権は連合にある。これは間違いありません。ザフトの飛行MSは航空機の不足を補うための苦し紛れの策とも言えますね。
種の世界じゃまったく無視されていますが、兵器ってものは必要に応じて発展しますからね。 どうしても陸では連合のほうが有利になりますな。
航空劣勢の軍は悲惨ですよ。陸で無敵でも空を握られていたら結局は敗北します。
スカイレーダーのような上空に長い間張り付いていられる機体に狙われた日には悲惨な事になります。
スカイレーダー…あのキッチン以外に運べない物はないと技術者が宣伝するほど優れた攻撃機。
しかもその話を聞いた軍人が実際にキッチンを敵上空に落としたあのスカイレーダー!さらには便器まで投下したスカイレーダー!ジェット戦闘機まで撃墜した明日買いレーダー! レシプロ機の頂点を極めたあのスカイレーダー。ぜひMSと戦ってもらいたい。
航空機がMSを攻撃するには色々なパターンがありますよ。
まず第一には通常爆弾。代表的なものだと500ポンド爆弾ですか。これはよほど至近に落ちない限りは大丈夫。ただし単価が安いので湯水のように使用できます。
仮に10トンのペイロードがあるとしたら、500ポンドは227キロなので…40個以上の爆弾を頭上で落としてくれますね。
しかも部隊は未来。当然航空機も発展しておりペイロードも増加している可能性も。もちろん単機ではなくて編隊を組んでやってくるので数百発の爆弾がやってきます。 被害は必ずでますね。
機体強度もエンジン出力も上がり続けてるからペイロードも増えるよな。前進翼まである時代だ…。 まあベールクトはニートやってるが。
さて、他に攻撃方といえばクラスターがありますね。
あの、ともかく口撃の対象となるクラスターですか。
そのクラスターです。これは爆弾の中に子弾を大量に組み込んだ爆弾ですね。
これの子弾には対装甲用の爆弾もあります。よってMSにも十分以上のダメージを与えられるでしょう。 クラスターの被害範囲はサッカーコートの2倍程度…これを何十発と投下すれば少々の陸戦力不足などどうということはありません。
でも所詮は子弾。MSには大したダメージは与えられないのでは?
よく考えてみてください。身長170センチの人間がたった9ミリの弾丸を喰らった場合の事を。 確かに殺す事は出来ないかもしれませんがダメージはうけます。例えば足にダメージを食らった場合は歩けなくなります。動けなくなった兵器は兵器ではありまえせん。基本的に兵器に壊れていい部分は存在しないですよ。
腕にダメージを負った場合はバランスが崩れます。下手すれば武器を使えなくなる場合もあるでしょう。もちろん武器そのものが破壊される可能性もあります。
最悪の場合はコクピットをやられて乗員が死傷、さらにはバックパックにダメージを受けて燃料に引火なんて事も。
小さいからといってバカにはできる事はありません。アンデルセン神父じゃないんですからダメージを受けたらただではすみません。 基本的に兵器なんてものは極端なまでの脆弱性も兼ね備えているものです。最新のM1戦車だって和製ブリキ缶97式中戦車で行動不能にできるそうですよ。 後方の弱点を狙えばの話ですが。
90式はブリキ缶だぜ。 しっかし圧倒的性能を誇るザフト製MSによる敵MSの駆逐。しかし空からの攻撃によりザフトMS部隊も徐々に疲労の色を濃くしていくのだった。 …みたいな展開にはならんのだろうか。
夢みるのはやめましょうよ…。
人の夢は…儚い…。
で……航空機による被害を受ける羽目になる哀れなザフト製のMSにはどういった対抗手段があると思いますか?
例え何を装備しようとも戦略爆撃や戦闘攻撃機を落とすのは不可能でしょう。 ですから相手はそれ以外の上空に張り付いてくる航空機になります。
常識的に考えるなら対空ミサイルですね。赤外線誘導の奴。
まあそれは一番確実でしょう。しかしMSには対空ミサイルは搭載されていません。 ともかくMSに対空能力を与えたいなら対空ミサイルを装備させるのが一番確実か。
ただし、常に敵の弾に晒される事が前提となる陸戦MSに対空ミサイルをつけてどれだけ役に立つかは疑問。
一発喰らって融爆じゃ笑い話にもなりませんね。高額で維持も大変なミサイルが…。
しっかし一体いくつのミサイルを搭載できるのか。命中率を考えたら一発じゃ不足だろうし。
そもそも機械的に限界に近いほど無理をしている陸戦主力兵器に余分なミサイルを積むのは大変ですよ。ある程度数がないと意味ないですし。
できる限り対地攻撃兵器と共用できるほうがいいですよ。でなければ専門の滞空MSをつくるしかないですね。
じゃあ他に対空に使えそうな武器といったら…
ビームライフル
大口径砲
小口径砲
ロケット弾
ですね。
ビームライフルが当てられるならこの世に攻撃機といったジャンルの兵器は存在しなくなります。地対空ミサイルも必要ありません。論外です。
大口径砲。これはそもそもビームライフルの普及にしたがって衰退している武器です。しかし陸戦ではビームライフルよりも大口径砲の方が役に立つ事も多いでしょう。十分使用される可能性もあります。
まあ汎用性の面なら砲の方が高いですな。技術的にも確立されていますし。
これによって対空攻撃をする場合にはいくつか問題点があります。
まず第一に命中率は期待できないことです。いくら近接信管をつけても命中率は1%以下です。しかも直撃しない限り撃墜できません。 まあともかく被害を与えたら攻撃不可能に持っていったりできるの問題はないです。
マリアナ沖の七面鳥撃ちもやたらとVT信管の優位性が強調されますけど、実際には戦闘機に撃墜されたのが殆どですもんね。 あの時代の新米パイロットの乗る機体じゃグラマンのヘルキャットの鴨でしかないと。
基本的にあの時代の対空射撃の役割は撃墜する事じゃなくて相手の攻撃を妨害する事。まあサブマシンガンにまで二脚を用意する日本人気質には合わないだろうな。
しかしこの時代の戦争はバカスカ機体が落ちる割にパイロットの救助とかまったくしてませんよね。 どこからパイロットを補充している事んでしょうか?
基本的に下っ端パイロットは使い捨て、どうみても飛ばすのがやっと程度の訓練しか受けていないみたいですから問題なし!!
ともかく大口径砲で航空機を撃墜しようとしましょう。 その為にはともかく航空機専門の対空砲弾を再装填しないといけません。
専門?榴弾なら地上戦でも使えるんじゃ?
障害物だらけの陸戦で近接信管を使用した日にはあさっての方向で爆発が続発する事になります。 空中で爆発するエアバーストグレネードも近接信管じゃなくて次元信管を使っていますよ。 ともかく対空砲弾に切り替えて射撃。これが基本です。ただし時速400キロ近く、秒速にして100メートル以上の速度で迫ってくるヘリに対して射撃しなくてはいけないですが。
でも連射が出来るのでは?
連射って言っても発射速度はそれほど高くないでしょう。そもそも弾数がたりません。弾数を増やすと陸戦におけるデッドウェイトが増える上に被弾時の危険も増大です。 たとえば対空砲の弾を増やすためにシールドを外したりする羽目になるかもしれませんね。 さらにいうと手で固定するMSの銃は連射すると命中率が大幅にさがります。あんまり連射はできません。
そもそも120ミリ級の砲に過剰な発射速度も求められんよな。
護衛艦の127ミリで分45発…。野戦の、それも持ち運ぶ砲にどれだけの発射速度を期待できる事か。
あー、そういや対空砲弾に散弾を使ったらどうかという意見が。
散弾は近接戦闘用の武器ですよ。それですら現在の軍隊ではあまり使用せず、警察もショットガンの使用率が減っています。
どっちかという浪漫向けっぽいのか。
で、次に連射が利く小口径砲です。これは12.7〜30mmくらいですか。
この時代までエリコン使われてるかな…。まあ現在でもラインメタルの傘下だが。
M2がいまだに使われている事を考えると可能性はあるかと。
そもそもあの手の砲に求められるのは信頼性ですからね。発射速度も初速は現在の時点でも十分あります。口径が同じならそれほど極端な変化はないでしょう。
って事は現代戦とまったく変わらない戦い方をする事になると。
まあ同じといってもレーダーは使えません。ともかく殆ど人力に頼って撃つ事になりますね。 しかも1,2発当たっても平気。装弾数はどれだけ多くても一門につき2〜300発。27mmリボルバーカノン(グリペンやユーロファイターに搭載されてる奴ですね)だと10秒も経たないうちに弾切れ。 まあ航空機を相手にした時の10秒は永遠にも等しい時間ですが。
どうしてリボルバーカノンを?発射速度ならガトリングの方が高いでしょう。
さゆりの趣味です。世間じゃリボルバーカノンと言ったらただ巨大化しただけのリボルバー拳銃を連想する人が多いようですが、さゆりはゲルマン魂のこもった方のリボルバーカノンがすきなんです。
いや……わかりました…次いきませう。
ロケットは…当たらないです。もちろん対空用ロケットも存在しますが、まさか陸戦MSにそんな物を装備させたりはしないでしょう。
何か…どれを使っても撃墜できる気がしないな。
そんなものですよ。それこそ命中率100%のミサイルでもない限り空からの攻撃は脅威なんですよ。
ミサイルも思っているよりも命中率は低いからな…。
しかもこれらの武器を有効に活用するために対空用の高価なFCSを搭載する必要があります。 さらに、有効な射撃方法をオペレーションズリサーチによって求めます。
オペレーションズリサーチ。数学的にシステムを求める方法ですね。種には無縁のものだ。
もちろんこれらの行動は集団単位で行います。散発的な射撃は殆ど効果がありません。 そのために訓練も必要ですし、指揮系統も必要です。
これも無縁…。
これだけやっても攻撃機が対戦車ミサイルなどでアウトレンジを仕掛けてきたら対処のしようがありません。
………。
最後に…これが一番肝心なことですが…気がつかなければ対処の使用がありません。
いや…あたり前ですよ。
そのあたり前の事が重要なんですよ!いいですか、二次大戦における空戦の必勝法をパイロットに聞いたら口を揃えて言うそうです。敵を先に見付ける事。零戦エースの坂井三郎の視力が桁外れよかった事は有名な話です。 例えどれだけ高級な装備を持っていても気がつかなければ使えません。レーダーが何故重要視されるか考えてみてください。
まあ…後ろから金属バットを持って襲えば、ひ弱な小学生でも大人を殺せますから。 ピッコロさんだって最終形態フリーザ様に一撃を食らわせられますし、ヤジロベーだってベジータの尻尾を切り落とせますな。
これだけやってもヘリを撃墜できるかは運次第。しかも陸はがら空きになります。 この間に陸戦兵器が敵をしとめたら、例え一発の弾も撃っていなかったとしても任務は成功となります。
なんかもー何やってもだめ。
結局、一度に一つの事しかできないんですよ。空想科学読本シリーズにもありましたが、万能兵器は一つの事をやっている間は他の全ての機能は無駄になってしまいます。 集団戦では大したアドバンテージにはなりません。だから万能兵器はゲリラ戦で使用するべきだと言っていました。
たしかに、色々できる巡航艦は数が少ないからこそ役に立っていると言えますな。 逆にMSは機能を制限しないとコンパクトにまとまりきらない。つまり万能だと自然と無理が出るな。
という訳で、MSにおける対空能力はあくまでも余技程度でしかないです。それで十分ですし、それ以上は難しいんですよ。 対空能力はMSではなく専用な対空兵器と一緒に行動するのが一番。MSの陸戦の任務はあくまでも戦車と同じ事です。M1や90式にゲパルトや87式自走高射機関砲のような対空機関砲はついてませんよね。
対空兵器の場合だと価格も重要ですな。少なくともMBTよりは安くないと。
ですから、MSにはぜひとも対空車両とのコンビネーションを期待したいところです。 そして航空機との熱い戦闘を!!
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撤退