第一話

起床はナマモノに歓迎されて

 

「起きて祐一!」

誰かが俺の体を揺さぶる。

眠りから引きずり出されたばかりの頭で考える。この声は名雪だ。まぶたを通って入ってくる光量からしてまだ朝。

どう考えても起こされなきゃならない時間ではない。ましてや名雪に起こされるなど。

「うるさいなー。今日は日曜なんだから寝かせてくれー」

心地よい眠りを邪魔された俺は不機嫌だった。せっかく

「大変なんだよー」

揺さぶる手にどんどん力がこもってくる。いったいなんだというのだ?

だいたい名雪が俺よりも早く起きているのが不自然だ。

「何だよ!?俺はとっても眠いの。珍しくベッドは一人で寝る物だと自覚しているの!邪魔するな」

「それどころじゃないよ!来て!」

いきなり手を引かれて、ベッドから引きずり起こされる。

「ったく!ニシンの値段でも下がったのか?だったら大損だが」

向かった先はベランダだった。

「だからどうしたんだよ!?」

「外を見るんだよ!」

俺は寝ぼけ眼で外を見る。朝日が眩しい。

 

あー(ゾンビの唸り声)

うー(ゾンビの唸り声)

キャー(悲鳴)

!!(断末魔)

ビャシャ!(血が吹き出る音)

グシャグシャ(何かを食べる音)

ドカン!ドカン!(爆発音)

 

「…………………」

「ほらー大変だよ」

名雪の声はのんびりした物だった。この状況が嘘のように。

「どうにも睡眠が足りないらしい。変なナマモノが見える。寝るか」

目の前に広がっていたのは、死霊の盆踊り真っ青のスプラッタだった。

街を我が物顔で歩き回るゾンビ軍団。それに襲われる一般市民。あたりに転がる死体の山。

…よく見ればゾンビと戦っている人もいる。あ…押し倒された(しかも女のゾンビに)。

どう考えても、現実にはありえない(死霊の盆踊りが実際起こる分には問題ないが)。

「俺、エドウッドの大ファンなんだ。彼の作る映画はどれも最高だよ。常人には無いあのセンス。名雪はどう思う?」

「馬鹿な事言っちゃ駄目だよ!エドウッドは、ゲーム界で言うならエコール(クソゲーメーカー)だよ!ほら、もっとよく見て」

「嫌だ!見たくない!前作でさんざんハサミ持った猟奇殺人野郎を相手にしたのに、何が悲しくて今度はゾンビを相手をしにゃならん!」

「ほら、よく見て!」

「やめてくれー!俺は今度は平穏に過ごしたいんだ!戦闘は嫌だ!!求む、恋愛!求む、萌え!」

「もうー、往生際が悪いよー」

今度は頭を両手で捕まれて、無理やり外を見させられる。今度見えたのは空だった。

空を占領していたのは……無数のカラスだった。……口に人の死体のパーツくわえてるよ……。

これはAIRじゃないよな……(カラス大活躍)。……AIRじゃ人は食わんか。人食ったらソフ倫には……怒られるかね?

「ほら、空も大変だよ。何か言う事ないのー?」

相変わらず名雪の口調はのんびりだ。それが俺をまったりとした気分にさせる。

「エ○ァシリーズ……完成していたのか…」

空を舞う鳥を見ながら、俺はできるだけみ○むーの声を真似て呟いた。いや…だって…本当にそう見えたんだってば!エ○ァシリーズに!

「まだそんな事言う!しかも微妙にネタが古いよー」

「いや…DVD発売するし。5・1chだぞ」

今までのDVD買った人の立場って……。……最近こんなのばっかり。

「そんな事はどうでもいいよ!私、祐一が現実を理解するまでこの手を離さないよ!ずっと!」

某ゲームの歌詞のような台詞を叫び名雪はさらに手に力を込める。しかも両手を挟まれた。痛い!痛い!痛い!

……気のせいか……カラス軍団がこっちに近づいてきているような…。

ゲー!カラスが襲い掛かってきやがった!俺、動けないのに!…クチバシがロン○ヌスの槍に見えてきた……(何でも貫通!)。

 

ばさっばさっ!(カラスの接近音)

きしゃーきしゃー(カラスの鳴き声)

ちょえーちょえー(雄たけび)

ぐさぐさ(つつく音)

 

「ノー!ノー!ヘルプ!ヘルプ!ヘルプミー!」

こ、このままでは、本当にみ○むーのような状態に(串刺し&内臓引きずり出し。最後はお腹の中に)!

「私離さないから!!この手を離さないよ!ずっと!」

ゲー!名雪の奴目を閉じてやがる!!これじゃあ俺の惨状が見えてない!!

「悪かった!俺が悪かった!だから離してくれ!」

もう恥も外聞もない!みっともない声を上げて必死に助けを請う。

「私騙されないよ!!祐一は嘘が得意だもん!!」

ど、どないせいちゅうねん!?

「ほ、本当に反省しています。お願いだから手を離してください!名雪さん!」

「わかればいいんだよ。……うわっ…祐一の顔が血まみれに!……気持ち悪い……」

「こ、このアマ…」

傷を消毒しながらつぶやく。涙がでてきたのは…消毒薬が目に染みたからじゃないだろう。

「私、下で待ってるかね。早く降りて来るんだよ」

と、とにかく今は馬鹿な事を言っている場合じゃないのは確かだ。急ピッチで着替えを済ませる。

そしてサバイバルに使えそうな物を鞄にまとめる。

あとは貴重品だ。

財布、保険書、パソコンから取り出したHD、こんなところか…。

荷物を担いで下に下りる。

下に居たのは名雪だけだった。真琴も、秋子さんもいない。まだ準備をしているのか?

「秋子さんと真琴はどうしたんだ?」

「それが…こんな手紙があったよ」

手紙は秋子さんの物だった。高そうな紙に丁寧な字で文字が書き込まれている。

「何々……ごめんなさい祐一さん、会社で事故をおこしてしまいました。Tウィルスが流出してとっても危険です

 今ごろは街中ゾンビだらけになっている事でしょう。あ、祐一さんは私のジャムを食べて免疫できてるいるので安心です。

 だから私は真琴と二人で脱出しますね。名雪のことをお願いします。くれぐれも死なないように。

 もう一つ。実験動物も逃げ出しましたから、それへの警戒も怠らないでくださいね。ボブ・サップでも勝てない生物兵器ですから。

 PS・テーブルの下の物置に使えそうな物がありますから有効活用してくださいね」

………………………………。

「…………勘弁してくれよ」

突然外から轟音が鳴り響く。これは……エンジン音だ!!

俺たちは慌てて庭へ飛び出した。そこで俺たちが見たもの…それは離陸をはじめたヘリコプターだった。

かなり大型の軍用ヘリだ。よくみれば兵員を乗せる部分には、秋子さんと真琴が居る。

「待ってください!!」

俺たちも乗せてくれ。そう言おうとした。しかし無情にもヘリは飛び立ち、どんどん街から離れていく。

真琴が見下すような眼で俺たちを見ているのが非常に腹がたつ!

「祐一はそこで食べられーーーーーーー」

ヒュ―――――――(真琴が落下する音)

ドサ!(真琴が落ちた音)

ポイッ!(ヘリから荷物が投げられる音)

ドサ!(荷物着地)

「落ちたな」

「落ちたね」

「家に戻ろうか」

「そうだね」

何事も無かったかのように俺たちは家に戻る。真琴の事だからしぶとく生きている事だろう。

とりあえずは自分達の事だけを考えないと。この街から脱出だ!

家に戻って最初にした事は、秋子さんの言っていた荷物を確認する事だった。中には色々な物が入っていた。

 

M11イングラム短機関銃×1

COLT・M1911ガヴァメント軍用拳銃×1

ストライダー製ナイフ×1

380ACP弾×640

45ACP弾×80

米軍レーション一食分×10

タクティカルベスト×2

救急スプレー×3

 

初期装備にしては十分過ぎる物だった(入手先については考えない事にした)。

さて…武器は二つ…38口径のイングと45オートのガヴァメントだ…(ナイフは論外)。どうしよう?

ここは弾幕を張れるイングにするべきか…いや…打撃力の高いガヴァメントも捨てがたい。

……いや俺も男…いや漢だ…。ここは名雪が選んだ残りを使うべきだろう。

「名雪…好きな物を使え」

「いいの?」

「ああ」

名雪が選びやすいように後ろを向いた。どんな結果になろうと後悔はしない。

「選んだよー」

振り向く。残っていた物…テーブルの上には…ナイフしかなかった。

目の前には脇にガヴァメントを下げ、腰にイングを挿し、弾薬を満載したタクティカルベストを着込んだ名雪。

「ちょっと待て!俺にナイフ一丁でゾンビと戦えって言うのか!」

……ごめんなさい……さっそく後悔してます。俺は漢じゃないようです。

「ふぁいとっだよ!」

「無理無理無理無理無理!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!食われる食われる襲われる!今度こそ弐号機と同じになる!」

ああー見えるようだ。俺がゾンビに食われる様が…。

 

あー(ゾンビの声)

しゅぱ(ナイフの音)

のー(効果が無くて焦る俺)

しゅぱ(ナイフの音)

ガシッ(やばい捕まれた)

ぶしゅー(大出血)

殺してやる!(必死の叫び)

ザクッ!(とどめ)

祐一?うああああ!(名雪叫ぶ)

 

「大丈夫だよー。初号機だってナイフしか装備がないんだから」

「エ○ァネタしつこい!だいたい初号機はナイフ無くても強いわ!」

「刃物はいいよー。嗜虐心を喚起させてくれるよー」

サドだ!こいつはサドだ!俺を虐めて喜んでる!鞭でたたかれる!(とっても錯乱中)

「ゾンビ相手に嗜虐も糞もあるか!もういい!どっちでもいいから銃をよこせ」

もう我慢できん!俺は軟弱者で構わん!名雪から銃を奪う!

「祐一…それ以上うるさく言うなら…私辛いけど銃で撃つよ」

ガヴァメントを構える名雪。眼が本気だ。

「そ、それを言うならナイフを投げるぞー、だろうが…あ、すいません…ナイフだけでいいです。……犬と……犬と呼んで下さい」

た、頼むから安全装置を外さないでくれ。……どのみちナイフじゃ死ぬか…。いや、死んでたまるか。

もうこんなのばっかり…。……黒崎社長がうらやましい。……性格がね。やってる事じゃないよ。

「祐一、私だって我慢してるんだよ」

「何を?」

一人で銃火器占有して、薬も独り占め。さらにそれで他人を脅す。……やりたい放題じゃん。

「私、本当はこんな銃じゃなくて、重力子放射線射出装置が欲しいんだよ」

ご、午後!午後!文学雑誌!ビバ霧亥!!

「そんな事したら、ゾンビじゃなくてセーフガードを相手にするはめになるだろが!死亡率倍増間違いなし!!」

「あゆちゃんは人形じゃなくて、ネット端末遺伝子を探さないといけないね」

「ええーい!もうそれはいい!!とにかくだ。俺たちはこの街から脱出をしないといけない」

テーブルの上に地図を広げる。改めてみると広い街だ。

「車は運転できない。鉄道も死んでいるだろう。残りは徒歩で脱出だが…どうすればいいと思う?」

「散々えらそうな事言ってたわりには私に頼るんだね」

「この街はおまえの方が詳しいだろが!」

協議の結果、商店街を通って、森を抜けて街から脱出する事になった。

「それじゃあ荷物をまとめたら出発するぞ」

「わかったよ」

「できるだけ身軽にな」

「大丈夫だよー」

名雪は自分の部屋に上がっていった。さて、俺も荷物の最終確認をするか。

部屋から持ってきた鞄の中身を確認する。

ライト、携帯燃料、水、救急医療セット、ライター、などなど。

それほど長い冒険になるわけではないだろうからこれで充分だろう。

「準備できたよー」

……………………………。

「けろぴーは置いていけ」

「けろぴーと一緒」

「置いていけ」

「ゆ、祐一はけろぴーがどうなってもいいの!?」

「俺だって私物は持っていかないんだぞ」

「けろぴーの命は真琴より重いんだよ」

か、顔が本気だ。

「お前が真琴の事をどう思っているかはよく分かった。けろぴーは置いていけ」

「うー、しょうがないなー。さよならけろぴー」

「もう行くぞ!!」

テーブルのイスにけろぴーを置いた名雪を放って玄関に向かう。

靴を履いてナイフを抜き身で手に持つ。

このドアを開けたら、広がるのはハードなサバイバルな物語だ。緊張する。

さあ!俺は今サバイバルの第一歩を踏み出そうとしている!行くぞ俺!戦え俺!み・な・ご・ろ・し!!

「はい、行くよー」

ガチャ(ドアが開く音。当然あけたのは名雪)

「…………………」

……………泣かない。

目に入る場所にゾンビがいないからだろう。外は数ヶ所で火が上がっているのを除けば意外にも平穏だった。

…………どこからともなく聞こえてくる甲高い悲鳴が聞こえなきゃな!

俺たちは警戒しながら商店街への道を急いだ。

しばらく進むと、進行方向上からひくい唸り声が聞こえてきた。

「ついに来たか」

「そうだね」

俺はナイフを、名雪はイングを構える。

「………ちょっと待て!お前は銃の扱いは知っているのか?」

考えて見れば、名雪の奴はさっきからトリガーに指をかけっぱなし(とってもデンジャー)のような。

「引き金を引けば弾が出るんだよね」

「安全装置を外して、初弾を薬室にこめればな」

あの時…飛び掛ってでも銃を奪っとけばよかった…。そうすりゃ確実に奪えたのに。

名雪に銃の使い方をレクチャーする(俺はモデルガンが使い方を習得済み)。

見えた…ゾンビだ。数は1。進行方向にいるから排除しないと進めない。

「いいか、俺がナイフで戦うから名雪はバックアップ」

「了解だよー」

「うっりゃーーー!!」

俺はナイフ片手に突貫した。

「殺す殺す殺す!」

パパパパパパパパパ!!

名雪も発砲する。………考えてみれば……イングって………集弾率低かったような………。

チュイン!

たらー。

「…………………」

頬が…痛い。血が………でてるな。

「撃つな!頼むから撃たないで!俺に当たる!俺に当たる!っていうか、かすった!」

「つまらないよー」

硝煙立ち上るイングを名残惜しそうに見つめる名雪。ク、クレイジー!

「俺、生き死にの瀬戸際!頼むから止めて!」

って、アホな事している間にゾンビがどんどん距離つめてきてるよ!

「あー!名雪に撃たれなくてもゾンビに食われる!たーすーけーてー!!」

俺さっきからいいとこなし!

「しょうがないなー。見せてあげるよ。陸上部部長の実力を」

名雪が疾風のように駆け出す。俺の横を過ぎてゾンビに飛び掛る。

「陸上部キーーック!!!」

り、陸上部関係ねー。い、一応足は使ってるけど。

「陸上部かかと落とし!!」

ぞ、ゾンビが頭からなんか嫌な色した物を噴出してる!!

「陸上部回し蹴り!!!!」

ぞ、ゾンビがメートル単位で吹っ飛んだ!まるでドラ○ンボールみたい!

「陸上部チョップ!!!!」

ぞ、ゾンビが…って、完璧に陸上部関係ねー!

と、とにかく名雪の活躍でゾンビは撃退できた(ゾンビは今は寝転がってピクピク動いてます)。

「ゆ、祐一後ろ!」

……後ろ?

「ゲー!馬鹿な事をしている間にゾンビが集結している!!」

「祐一、説明口調になってるよ!」

「しかも走るゾンビがたくさん!!ど、どうすりゃいいんだ!?」

「見せてあげるよ、陸上部の奥義を」

「そ、それは?」

「陸上部ダーーーーッシュ!!!」

おおー。今度こそ陸上が関係ある。速い速い。通常の3倍。

……………………………………………って俺をおとりにして逃げやがった!!

「あー」

ひー。ゾンビがどんどん近づいてきた!お、俺も逃げるか?……向こうの方が速いよ……。

こうなりゃナイフで!

 

あー(ゾンビの声)

しゅぱ(ナイフの音)

のー(効果が無くて焦る俺)

 

「よ、予想と同じ展開だ!く、食われる!襲われる!あー捕まれた!」

肩に爪が食い込んで痛い!ちくしょー!どうせ指食い込まされるなら可愛い女の子に泣きつかれながら思いっきりやられて、後で

――ご、ごめんなさい。私…(誰だよ!?)――

――いいんだ。誰だって泣きたい時はあるから――

――相沢さん――

――祐一でいいよ。これからは…俺がずっと一緒にいるから。だから――

とかやりたかった!

ええーい。しかもこのゾンビ、生きていたら結構美人だったろうからさらに嫌だ!!

き、牙むいてる!食べる気満々!食欲満々!ビバ海原雄山(とってもメダパニ中)!至高のゾンビ!

「な、名雪!貴様は俺の!」

もう駄目だ。全てを諦めて力を抜いたその時だった。

大きな爆発音。

目の前でゾンビの顔が砕け散る。

「大丈夫ですか祐一さん?」

こ、この声は!

「佐祐理さん!!」

「祐一さん…ナイフ一本で戦うなんて自殺行為ですよ」

いや……好きでやったわけじゃ。

再び爆発音。それも数度。

瞬きする間に、辺りにゾンビの頭が吹き飛ぶ。

「す、凄い…。だぁー!!」

ゆ、油断した。後ろにゾンビ一匹。

慌ててナイフを振りかざすが…すっぽ抜けた…。

「ひーーーー!!」

仕方なくその辺に落ちていた石でゾンビの頭部を思いっきりぶん殴る。

クリティカルヒット!変な液体を撒き散らしながらゾンビは倒れこむ。

…死んだ?……動いてる。追い討ち!追い討ち!追い討ち!追い討ち!!

ガス!ガス!ガス!グチョ!ゲチョ!メキャ!

そのまま倒れているゾンビの頭部を石でたこ殴り!!数回でゾンビは動かなくなった。合掌。

………ナイフより……拾った石の方が強いじゃん。鈍器っていいよね。

しかし…石で撲殺は……悪党っぽい。俺……主人公なのに……。

佐祐理さんの方も終わったようだ。辺りに動く者はいなくなった。

佐祐理さんの手には大型の銃が握られていた(よく見たらSPAS12だった)。

「助かりました、佐祐理さん」

「いえいえ、祐一さんが無事でよかったです」

「カッコよかったですよ」

「祐一さんも凄かったですよ。ゾンビに馬乗りなって戦ってましたよね」

「……そのことは忘れてください」

「わかりました」

「佐祐理さん!後ろ!」

だが、警告は必要なかった。ゾンビは竹を割ったかのように縦に裂けて倒れた。

「こ、この技は…」封神剣究極二等分断破!!

「祐一…無事だった?」

「お前もいたのか…舞」

「……………」

「血だらけだぞ。大丈夫なのか?」

「全部…返り血だから」

「そ、そうか。で、何をしているんですか?」

「狩りですよ。一匹倒すたびに10万円もらえるんですよ」

「佐祐理に誘われた」

どこから金が出るかは聞かない。怖いから…。色々な意味で。

「今まで総計1000万円近く稼いだんですよ」

「そうですか…」

「そうだ、祐一さんに渡す物があるんですよ」

「こ、これは…銃ですか」

手渡されたの拳銃。見覚えのある独特のフォルム。マテバM2006Mだった。

それに357Mag弾の20発入りのパックを五箱渡される。

「はい、祐一さんは丸腰ですから、ちょうどいいですよね」

「あのー」

「どうしました?」

「できれば、その腰にぶら下げたセンチュリオンの方が欲しいんですけど」

佐祐理さんの装備は立派な物だった(俺と違って)。主武装のショットガンに加えて9mm拳銃とナイフ、さらに暗視装置まで身につけている。

「駄目ですよー。佐祐理の愛用品なんですから。それに祐一さんは前作でマテバが好きだって言っていたじゃないですか」

「前作…ああクロックタワーか」

た、確かにマテバが良いって言ったような。あれではガヴァメント使っていたし。

「あの中でマテバが好きって言ってましたよね。佐祐理、祐一さんのために用意しましたから」

「大好きですよ、マテバ。でも…357Magは扱える自信ないんで…」

俺は一般市民であなたとは違うんです。とは喉元まで来たが言わなかった。

「祐一さんなら大丈夫ですよ。それにマテバM2006Mは安定性が高いそうですよ」

「いや…オートじゃないといざって時に困ります」

「リボルバーの方が信頼性高いですよー。ジャムりませんし」

「いや…装弾に手間がかかりますし。クイックローダーなんてありませんよね?」

「ありませんよ」

「装弾中に襲われる可能性が…」

「祐一さん。別に渡さなくてもいいですよ、マテバ」

「…ごめんなさい。じゃあ舞、そのお腰に下げたUSP(P12)とこのマテバを交換してもらえませんか?」

舞の主武装は当然の如く剣だった。さらに45口径拳銃と暗視装置を身につけている。

「ぽんぽこたぬきさん」

「どうしても?」

「9ミリは…好きじゃない」

ば、バイオシリーズはほとんど9ミリが主力ですよ!!それも9パラ!!求む45口径!!

「いや…だったらUSPじゃなくても。H&KならMK23(SOCOM)があるだろうに」

「重いから好きじゃない」

「もう…いいです」

「それじゃあ佐祐理たちは行きますね。行こう舞」

「わかった」

「目標はあと100匹だよ。お金が貯まったら一緒に旅行にでも行こうか?」

「…頑張る」

………行っちゃたよ。残ったのはマテバだけ。なんて騒がしい人たちだ。

なんにしても命を助けてもらったのは確かだし、銃までもらえた。感謝感謝。これから足を向けて寝る事はしませんから。

俺的にカノンのヒロインはあなた達です!!

さてと…さっそくマテバに弾丸を込めよう。弾倉を引き出し6発の357Magを込める。

最後に手首のスナップで引き出した弾倉を元に戻す。……俺ってかっこいい!!

さて…これからどうしたものか?名雪は一人で逃げ出すし。ま、いない方が気楽かな。後ろから撃たれないし。

キュピーン(ニュータイプの音)!!後ろから気配!俺はマテバを構えて後ろに突きつける。

「よかった。祐一なら絶対に大丈夫だと思ってたよ」

「黙れこのアマ!」

 


用語解説

 

バイオハザード
この話の元ネタになったゲーム。カプコンから発売され現在多数のシリーズがリリースされている。
内容は、ゾンビその他の怪物を銃火器で皆殺しにしながら、どうしてここにこんな仕掛けが!と、突っ込みたくなる謎解きをしながら先へ進むゲーム。
作者的には、このゲームの起源となったスウィートホーム(RPG)の方がお勧めである
死霊の盆踊り
駄目映画。それ以外に何も言いようが無い。
エドウッド
本名エドワード・ウッド・JR。映画監督。
彼が世に送り出す映画は、常識人のセンスを超越した駄目映画ばかりである。
彼の人生を題材にした映画、エドウッドはアカデミー賞を取った。
エコール
史上最強のクソゲー・デスクリムゾン(通称デス様)を世に送り出したメーカー。
他にもいくつかゲームを出しているが、クソゲーがメインである。
なお、せっかくだから!という台詞に反応する人がいたら、その人はクソゲーマニアであるだろう。
エ○ァシリーズ
量産型エヴァンゲリオンの事。初登場は空を舞っていました。
一匹につき20秒で倒さないといけない。
み○むー
声優。最近姿を見ないような…。
M11イングラム短機関銃
サブマシンガン。使用弾薬・380ACP・9mmパラベラム
毎分1200発の連射性能を誇る。以前は特殊部隊などで使用されていた。
最近はH&K・MP5シリーズなどにシェアを奪われている。
COLT・M1911
COLT社製作の自動拳銃。使用弾薬は45ACP。装弾数8+1。
米軍においてベレッタM92が採用されるまで制式採用されていた。 今なお、アメリカでは現役で活躍をしている。
初号機
ここではエヴァンゲリオンの初号機をさしている。
弐号機
ここではエヴァンゲリオンの弐号機をさしている。
センチュリオン
Beretta M92F Centurion 使用弾薬・9mmパラベラム・装弾数15+1
Beretta M92Fのスライドとバレルを切り詰めた物。
ベレッタでもっと小型が欲しい人はクーガーシリーズを使いましょう。
マテバM2006M
変わった拳銃を作る会社、マテバ社が製作した回転式弾倉拳銃。使用弾薬は357Mag。装弾数6。
この銃の特長は、大多数の回転式拳銃が弾倉上部の弾を発射するのに比べ、弾倉下部の弾薬を発射する所にある。
これによって発射時の衝撃を軽減できる…らしい。
もう一つの特徴は銃身を簡単に交換できるところである。最短51mmから最長153mmまで7段階のバレルが用意されている。ちなみに祐一君は最長のバレルを使用しています。
なお、マテバの活躍が見たければ甲殻機動隊のキャラクター、トグサが使用しているので是非見ましょう。いや、見ないといけない。
ジャム
弾が詰まる事。オートを使うときにおいてもっとも困る事である。
弾がつまると、排莢しなければ次弾を撃つ事はできない。
これを警戒して、銃を二丁ぶら下げる人は多い。
もしくはゴルゴ13のようにリボルバーを使用する。
クイックローダー
回転式弾倉拳銃にすばやく弾丸をこめる為の道具。
素早くといっても、オートの方が手間がかからないのは確実である。
USP
H&K社製作の拳銃。
USPとは、ユニバーサル・セルフ・ローディングピストルの略である。
9mm仕様、10mm(40S&W)仕様、45ACP仕様が存在する。ちなみにドイツ国防軍では9mmモデルP8をを制式採用している。
USPの活躍が見たい人は、新世紀エヴァンゲリオンのミサトさん、もしくはMETALGEARSOLID2のスネークを見ましょう。
海原雄山
日本で最強の食通。食事に誘われながら、出された物にケチをつけられほどの剛人。
得意技は女将を呼ぶ。
重力子放射線射出装置
アフタヌーンで連載中の漫画・BLAME!に出てくる武器。
何でも壊せる。
黒崎社長
アリスブルーから発売しているゲーム 俺の下であがけ の主人公。CV・緑川光
ボーイズゲーは18禁でも声優が豪華でうらやましい。