第二話

死線の商店街

前回までのあらすじ

 

それはとある日の事だった。

ニシンが暴落して絶望する祐一。

そんな彼の元に突如空から飛来したエ○ァシリーズ。

彼らから放たれたロン○ヌスの槍が祐一を貫く。

一方、祐一のパートナー名雪にも危機が訪れていた。

某金融会社の社長、黒崎の罠にはめられ体を奪われる。

そんな彼らの元に救世主、ネット端末遺伝子を求めてさまよう少女、あゆが現れた。

だったらいいと思うが、ここからが真実。

朝、目を覚ますと町にはゾンビがあふれていた。

その原因は、水瀬秋子が勤めるアンブレラ日本支社が事故によりTウィルスを流出させた事にあった。

危険を察知した秋子はすぐに町を脱出するが、娘、名雪と居候、祐一は取り残されてしまう。

死と隣り合わせとなった雪の街を脱出するために翻弄する二人。

そんな中で名雪の裏切りにより祐一は絶体絶命の危機に陥る。

死を覚悟する祐一。

その危機を間一髪救ったのは友、佐祐理、舞の二人であった。

祐一の探索はまだ終わらない。

現在の二人の装備

祐一
マテバM2006M・弾薬×100
ナイフ×1
名雪
イングラムM11・弾薬×608
COLT・M1911ガヴァメント・弾薬×80
救急スプレー×3

名雪と合流した俺は商店街を目指して歩きつづけていた。

途中で何体ものゾンビとめぐり合うが、全て横を走り抜けて事なきを得る。

そんな事を数度繰り替えし、俺達は無傷で商店街の入り口まで辿り着いた。

「やっとついたね」

「ああ…長かった」

ここに来るまでに一時間以上かかったよ。普段なら30分もかからないのに。

「見て祐一。入り口に一匹ゾンビがいるよ」

「安全を考えれば、排除した方がいいな。面倒くさい事だが」

「頑張って!祐一」

「マテバでよろしければ」(CV・山寺宏一)

かぁーーーー一!!一度言ってみたかったかったんだよなー、この台詞。

マテバの安全装置を解除する。ついに……俺がカッコよく活躍する機会が来た!

シ○ィーハ○ター、公○9課、ゴ○ゴ13、メタ○ギア、そんなハードボイルドな主人公の仲間入り。

山寺宏一、大塚明夫、神谷明、緑川光、堀川亮。もし今の俺に声優がつくならそんな人々が相応しい!!

さようなら、何かと軟弱なところが目立った(過去に無責任な事など)俺!

「やれやれ。武器を持ったとたんに強気になったよ…。自分より弱いとわかったら強気にでるタイプだね。一番人間的にいけないよ。ドラマだったらすぐに死ぬね」

「……五月蝿い」

俺の周りには……よく悪くも癖のある奴ばっかり。強気になんて……。

「あんたに恨みは無いが……許してくれ……」

「いいから撃ったら?」

「わかってるよ!!」

マテバの引き金にかけた指に力を込める。雷管にハンマーが振り落とされた。火が入るマグナム弾。

弾丸は正確にゾンビの頭部に着弾し、ゾンビを倒れさせす。いける、俺でも充分に使いこなせる。カッコいい!!

さすがはマグナム弾。ゾンビは一発食らっただけで絶命した。

「さ、行くぞ。先を急がないと」

「祐一。お腹すいたね」

「頼むから…今までの展開無視して話を進めないでくれ」

「どうして忍者竜剣伝は外国だと忍者外伝になるだろうね?」

「わざと言ってるだろ……」

あんな難易度高いゲームの話なんて…ラスボスが強いんだよ!最新作、あんなの忍者竜剣伝じゃない!

「ま、確かに腹は減ったな」

「そこにレストランがあるよ。そこで食べようか」

レストランか。こんな状況じゃ当然営業しているわけはないが、確かに何か食べれる物があるかもしれない。

仮に何も無くても、安全な場所さえ確保できればそれでいい。携帯食料を食べればいいだけの話だ。

レストランの門をくぐる。 

入って最初に気になったのは匂いだった。嫌なにおい。ガスの匂いだった。引火性ガスが漏れている。

「やばいぞ名雪。出るぞ!」

意外なほど整然としている店内。中には誰もいなかった。生きている者もゾンビも。人は…。

「ねこさんだ!ねこさんがいるよ!」

「落ち着け!絶対に変だ!」

腐ってる!眼が飛び出てる!変な匂いがする!

「だってネコさんなんだよ!それにどこもおかしくないよ!」

「変だ!絶対に変だ!劇場版の弐号機ぐらいなんかデザインおかしい!」

「変じゃないよ!」

「変だ!」

「いい祐一。昔の人は言ったんだよ。生きていようが、ゾンビだろうが、可愛いネコはいいネコだ」

「言ってない言ってない言ってない言ってない!いいからネコはネズミでもとってろ!つーかゾンビってわかってるのかよ!」

「私いくから」

…考えました。

名雪がネコに近づく。ネコ襲い掛かる。名雪ダメージ。王大人死亡確認。俺、名雪の装備を形見に受け取る。

…何も…問題は…無い。いや、むしろいいかも。名雪はしつことか、名雪は用済みだとか。

祐一脳内思考。承認。承認。承認。

「行ってこい。思う存分ネコを愛でてこい。あのネコはお前の物だ」

「ねこさーん」

名雪が行ったと同時に、側にあったドアノブが音を立てる。

誰だ!?ゾンビじゃ扉は開けられないだろう。真琴?天野?あゆ?栞?香里?ゾンビ化途中の北川?

「…………やぁ……」

震える俺の声。出てきたのは予想外のナマモノだった。いや…予定外というべきだろうか。

でっかい体。ぶっとい腕に大きな爪。緑の体。狩人の心。人間の作り出した最高の狩人。ハンター。

何でハンター!まだ第二話なのに!せいぜいクモどまりだろ、普通!いいかげんすぎるぞ!

「な、名雪!陸上部殺法でなんとかしてくれー」

「ねこーねこーねこー」

「だぁーーーーー!!」

戯れてる!ナマモノと戯れてる!死体をものにしてる!

陸上部部長、肝心なときに役にたたねー!!

ち、近づいてる。こっち向いてる。にらんでる。爪動かしてる!

め、眼逸らしたらタマ取られる!にらんでるにらんでる怖い怖い怖い!

………ど、どうする?

@マテバを使ってガス爆発。相打ち。名雪も道連れ。

A逃げようとして後ろから首ちょんぱ。名雪だけ助かる。

………………………………結論。

Bナイフで格闘戦。

「どあああああああぁぁぁぁぁ!!(アスカの声で)」

決死。ナイフ片手にハンターに飛び掛る。

反撃に出るとは思っていなかったのだろう。簡単に懐にもぐりこめた。

左手で肩を掴み、全体重をかけて押し倒す。

「どりゃああああぁぁぁぁぁっぁあ!!!(マルチの声で)」

右手のナイフがハンターの頭部にめり込む。

首に冷たい物。凄まじい生命力。ハンターはまだ絶命せずに俺に右腕で襲い掛かろうとする。

「どりゃああああぁぁぁぁぁっぁあ!!!(千紗の声で)」

ナイフが金属質の音を立てて根元から折れると同時に、俺の喉に当てられた物が力なく床に落ちる。

喉に僅かな熱さ。首の皮一枚で助かった…。

しかしナイフが折れるほどの馬鹿力。もしかして…俺って強い?俺ってヒーロー?

 

人はこうして英雄になる

朝起床、あなたは勇者だからお城に行きなさい

クリスタルいわく私は光の戦士

六冊の本を探して来い

おまえには秘められた力があるはずだ

燃えろ!俺のコスモよ!

男の名前で悪いか!!

ささげる

こいつ…動くぞ…

あなたがエヴァに乗るのよ

 

横から物音。感心している暇はないようだ。

「まだいるのか!?……………ねこ?」

そこにいたのは確かにネコだった。当然の如くゾンビ化、ただし……大きさが中型犬くらいの大きさがあったが。

……………やばいって。でかすぎ。大きけりゃいいってもんじゃないって。可愛くないって。

…………牙むいてるな。俺に。何で俺ばっかり。クリリンか…俺は?

ナイフはもう無い。に、肉弾戦。黄金の拳!我が一撃は無敵なり!!

衝撃のファ○ストブリ○ド!極上!!メ○オ・ド○イヴァー!

「この卑しいペットめ!!」

「ブニャー!!ニャニャ!」

たたく!たたく!たたく!

「動物め!動物め!」

「ニャ――――!!!」

たたく!たたく!たたく!たたく!

「アニモー!!英語だとアニモー!!」

「ブニャニャニャ!!!!!」

たたく!たたく!たたく!たたく!たたく!

ネコたたきのできあがり。お早めにお召し上がりください。

ふぅー。意外にたいした事なくて助かったぜ。

「祐一!どうしてねこさんにこんな酷い事をするの!?」

ちっ!五月蝿いのが正気に戻ったか。

「いいか、名雪。これはネコじゃない。これはね、犬なんですよ」

「どう見てもねこさんだよ!」

「いいかい。これは犬だよ。その証拠にとっても大きな体をして大きな牙がついてるだろう」

「う…うん。そうだね……これは…犬だよね。祐一の言う通りだよね。犬さんだよ」

「わかってくれればいいんだ」

馬鹿で助かった。馬鹿でよかった。

「でも…結局なにも食べられなかったね」

「仕方ない…近くのコンビニにでも入ろう」

「コンビニ〜。コンビニ〜。コーンのビニールハウスだよ〜」

突っ込まない。突っ込まない。突っ込まない。

それは違うとか、コーンってビニールハウスで育てるのか!?なんて。

コンビニはレストランのすぐ側にあったので一匹のゾンビに出会うことなく辿り着く。

コンビニの中は酷い有様だった。略奪にあったのだろう。物が散乱し、ほとんど使えそうな物がない。

電気が来ているのは幸いだが、それもいつまでもつのか。

「祐一…レジが空っぽだよ…残念」

「……この期に及んで現金狙うか」

「最後に頼れるのはお金だよ」

「いや…男の俺を頼ってくれよ」

「頼れるような男になってよ〜」

…俺って頼りない?軟弱物?

と、ともかく食料は確保できた。食うべし!食うべし!食うべし!

「名雪ー。お湯は沸いたか?」

「沸いたよー」

「名雪はどれにする?ヤキソバ?カレー?醤油?味噌?」

「ナポリタン」

「了解。俺はおかゆでももらうかね」

まったりとした食事風景。ときどき外から聞こえてくる悲鳴が雅でよい。

「いちご〜いちご〜」

「ほら、イチゴショート。で、俺はチーズケーキだ」

まったりとした食後のデザート。ときどき外から聞こえてくるうめきと悲鳴が雅でよい。

「ほりゃー。紅茶だ!いちごジャムをたっぷり落としたロシアンティーだぞ。俺はブランデーを落とした!」

まったりとした食後のお茶。ときどき外から聞こえてくるうめきと悲鳴と何かを食べる音が雅でよい。

「眠いー」

「それじゃあ上の事務所で一休みといこうか」

まったりとした食後のお昼寝。ときどき外から聞こえてくる爆発音とうめきと悲鳴と何かを食べる音が雅でよい。

中に入り階段を上る。目の前に事務所への扉。

中から人の気配。生きた人の気配。中にいたのは見覚えのある人。

「やっぱり生きてたな…真琴」

「絶対に大丈夫だと思ってたよ」

中にいたのは真琴。……………この野郎……事務所の現金ネコババしやがった。

お札の絨毯で寝そべってやがる。

「白々しい!もー!ヘリからは落ちるし、ナマモノには追いまわされるし、肉まんは置いてないし!最悪!!」

「それだけ現金奪えば満足だろうに」

「最低だね」

「五月蝿いー。これくらいじゃ元は取れないわよ!」

真琴は何を思ったのか大型の拳銃を俺達に向かって構える。

「だからって銃を向けるなよ…八つ当たりはやめろ」

「五月蝿い!このでざーといーぐるなら祐一なんて即死になんだから」

「無理してデザートイーグルって言うなよ」

確かにあのシルエットはIMIご自慢のデザートイーグルだ。どっから…って秋子さんから貰ったに決まってるか。

「いいから消えて無くなりなさい!」

引き金が…。

「あう!うきゅう」

火を噴くデザートイーグル。10インチのバレルと通って人間を砕くほどの威力を持った弾丸が活動する。当然反作用も働く。

………跳ね上がった銃口が…真琴の……おでこ……直撃……気絶。50AE弾は天井に埋め込まれる。

「アホだ……アホだ…本物のアホだ」

様子を見てみる。おでこが真っ赤になっているだけで他に異常は無い。

普通なら肩が外れて指が裂けたかもしれない。運がいい。

「祐一。真琴の荷物があったよ」

バトル・ロワイアルで使ってたような簡単な鞄だった。中はずしりと重い。

9mm軍用拳銃ジェリコ941。UZI短機関銃。……ここは中東じゃねーぞ!モサドの回し者かこいつは!?

「と、とりあえず頂いておこう。後はこいつをどうしたのもかだな?」

「起きたら暴れるだろうね」

「仕方ない…縛るか」

「うわッ、SMだ。マゾリックスだ。祐一はサド〜。ロープで束縛、鞭でぴしぴし〜だよ〜」

マゾリックスはないだろう。シーモネーターやファックトゥザフューチャーは勘弁よ。

「ちげーよ。縛って運んで、ゾンビに襲われたときのおとりに使おう。食われている間に逃げられる」

「グッドアイデアだね。生存率格段にアップだよ」

「いや…冗談なんだけど。ま、縛りはするけど」

「亀甲〜」

「しません!!って言うかやりかた知りません!」

知ってたらするか……するかも…。

ここはコンビニ。ロープくらいなら幾らでもある。真琴をぐるぐる巻きにして放置。一安心。

 

休憩

 

休憩は終りだ。真琴を肩に担いで外に出る。外を目指さないと。

「あ、あれは!」

「祐一!」

そこには人がいた。立ち込める血の匂い。赤き池。

「そんな…」

「大変だよ…」

俺のよく知っている人。そしてその手に…。

「すげー!!グロックだ!本物だ!すごい軽い!」

「ホントだー。凄いね」

俺の手にのしかかる質量。本物だ。名雪も感心して覗き込んでくる。

「し、しかも俺の大好きな45ACP弾使用のグロック21!レーザーサイトまでついてる!」

「至れり尽せりだね」

「俺がもらってもいいよな、名雪。な!な!な!」

「うん。私はもう拳銃持ってるから。祐一が使ったらいいよ」

「よっしゃ!!ありがたや、ありがたや」

グロックはいいよな…マテバの次にいい。軽いし、信頼性抜群。

「ゆ、祐一君…ぼくの心配は……たすけて」

「安心しろ。その傷じゃ絶対に助からないぞ。そうだよな、名雪」

「お葬式はしてあげるから安心して死んだらいいよ」

「そ、そんな…」

「ま、せめてもの情けだ。話くらいは聞いてやろう。どうしてこんな場所で死にぞこなってるんだ」

「そ、それは。倉田って人が僕のところにやってきて…ゾンビを一匹やっつけるたびにタイヤキを10個くれるって」

「佐祐理さん…あの人は…まったく」

まったく…タイヤキ10個じゃせいぜい2000円。佐祐理さん…10万近くぼってるな…。極悪人だよ。

「それでぼくは頑張ってたんだけどべし!」

「あゆ!?」

噴出す血液。赤に染まる周辺。力なく横たわる少女。

「祐一!あそこ!!」

ビルの上だった。長い銃…スナイパーライフルでこちらに狙いをつけた黒服の人物。

「貴様!よくも!!よくも!!よくも!!」

無表情でこちらを見つめるスナイパーに俺を怒りをぶつけずにはいられなかった。

「殺すタイミングが速すぎるぞ!!」

こ、こんな中途半端なところで。盛り上がりに欠ける!!最悪だ!

「起きろあゆ!続きを喋れ!肝心な話をする前に殺されろ!」

死にぞこなってるあゆを無理やり起こして、頬を叩く。このままではまずい!

「う、うぐぅ。もう寝させて」

「やることやってから死ね。いいかスナイパー!今度は間違うなよ!一番盛り上がるところで撃てよ!ほら喋れあゆ!」

さらに頬を叩く叩く。まだやらねばならぬ事があるだろう!

「う…う…う…。それでぼくは頑張ってたんだけど…大変な事を知ってしまったんだよ」

観念したのかようやく口を開く。さ、ここからが勝負だ。横では名雪も真剣な顔をしている。

「大変?一体何が?」

「それは…この街で渦巻く陰謀なんだよ」

「陰謀!?じゃあ今のこのゾンビ達は事故じゃなくて必然的に…」

「それは…あ」

「それは?」

「あゆ!?あゆ!?おい!」

突然噴出す血しぶき。力なくよこたわるあゆ。

「死んでるよ…」

「そんな…冗談だろ!眼を覚ませよ!」

さっきまで喋ってたのに!生きていたんだ!

「祐一…もう…それ以上乱暴にしたら…やすらかに寝させてあげよう」

「あゆ…」

俺は弾が飛んできた場所を見た。

「スナイパー。最高のタイミングだったぞ〜。もういいから早く逃げろよ〜」

「これなら視聴者の皆さんも満足だね」

「そうだな。お約束の展開だ。とってもグーだ」

 

「でだな。グロックがあったのはいいが弾が無いんだ。名雪のを分けてくれ」

あゆは弾を撃ちつきしていた。残っていたのはマガジンだけ。幸いにも名雪はこれに使える弾を持っているんだからこれを使わないと。

「一発につきいちごサンデーひとつ」

「高い!5発でひとつだ」

「だーめ。一発でひとつはゆずれないよ〜」

「マテバだけじゃ死んでまうて!あかんて!俺が死んだら名雪も困るって!」

何故関西弁だ…俺。切羽詰ってるって!

「あのね祐一。もし祐一がゾンビに殺されたらだよ。私は形見として祐一の財布をもらうから」

「は…?」

「いちごサンデーいくつ食べられるかな〜」

「せ、せめて3発でひとつにしてください…」

「ロハでもいいよ」

「…………何をさせる気だ?」

「ふっふっふ…鋭いね祐一。生きて帰れたらハンバーガー屋さんに行って」

「行って?」

は、ハンバーガーを100個頼めとでも言うのか?それとも店のデザートだけを買い占めろとか!?

「セットの付け合せを何にしますかって?聞かれたら」

「聞かれたら?」

義理の妹!メイド!巫女さん!

って大声で叫ぶように言うなら只で全部あげるよ」

え、エロゲー三種の神器!普通ならそう簡単にはいないけど!!確かにエロゲーではハンバーガーにポテトが付いてくるくらいの確率ででてくる!!

でも……言ったら二度と外を歩けない……。

「…勘弁してください」

父さん…母さん…俺は犬です…負け犬です。ルーザーです。

交渉のすえ、2発につきいちごサンデーひとつに落ち着きました。

生きて帰ったら…いちごサンデー20個は奢らないと……。

「なあ名雪」

「どうしたの?」

「さっきあゆが言って内容が本当なら…秋子さんの関係者の俺達にも何か関係をおよぼすかもな」

あの秋子さんの事だ。絶対に無関係な訳がない!断言できる!なんたって秋子さんだ!

「例えば?」

「刺客を放たれるとか」

「例えばあんな人とか?」

「そうそう、アレみたいな…」

漆黒のトレンチコートを着込んだ禿げたマッチョな男。顔には謎の触手が絡んでいる。

「アレ……」

追跡者…だよな。シザーマンと同類の最強のストーカー!お、俺がターゲット!?

「ミナセ……」

よっしゃ!!俺がターゲットじゃない!!俺部外者決定!とっても安全!

「名雪ー、気をつけろよー。死ぬんじゃないぞ〜」

「ゆ、祐一、随分余裕だね」

「いや…だって…俺関係ないし。狙われているのは名雪さんですからね〜」

「え、エゴだよーそれは!祐一、ちょっとせこいよ。助けてよ!」

「くだらない事を言ってないで追跡者をやっつけるなり逃げるなりしたら。ほらほら、どんどん距離が詰まってきてるぞ」

「う、祐一、あとで酷いからね」

「頑張んなさいね〜」

俺は高みの見物、名雪は命がけ。とってもいい気分だ。

イングが名雪の手に握られる。安全装置を外す時の金属音が響き渡る。やる気だ。

銃口から火を噴く。380ACPが音速で追跡者に襲い掛かっていく。あっという間にマガジンが空になる。

相手は追跡者事。この程度の火力では追跡者は倒れない。アンブレラの科学はーーせかいいちぃぃぃぃぃぃ!!!!

「ATフィールドは中和しているはずなのに!」

してない!してない!してない!張ってない!つーかキャラ違う!

つーか…助けてやろうかと思ったが…どうにも、まだまだ余裕がありそうだ。不必要助け。

「うー、何で倒れないんだよ〜!」

あ、ガヴァメントも撃ち尽くした。どうする名雪?タマを再装填するか?それとも陸上部殺法か?

「り、陸上部ダーッシュ!」

「逃げたな」

「戦略的撤退だよ!」

言葉を飾っても仕方が無いだろうに。

そういえば…真琴はどうしたんだっけ?どこに置いたんだ?

拘束して担いでたのを…追跡者が出てくるまでは担いでいたのは確実だが…どこに置いた?

いた………名雪と追跡者を結ぶ直線状に転がっている。

あ、追跡者が走り出した。

「うー!うー!うー!」

あー、追跡者がどんどん近づいている!あ、踏まれる!踏まれる!真琴叫ぶ!

「真琴!」

「うー!うー!うー!」

さるぐつわをさせたので何を言っているかはよくわからないが、まあ俺に助けを求めているのだろう。

「骨は拾ってやるぞー」

20m…15m…10m…5m。

「うー!うー!うー!」

「神のご加護を…」

おーおー。あんなにびびってる真琴の顔を見るのは初めてだな。あ、1mきった。有効射程距離到達。

 

ぷち

 

踏まれた……。な、何て…何て…何てみっともない死に方だ。例えるなら艦砲に落とされるMSのような。

真琴ー。死体は安全確保してから回収してやるからなー。

それよりも今は名雪だ。

「ゆ、祐一の裏切り者ー!」

「裏切られる方が悪いのさ。要するに…相手の事を理解してないって事だからね」(CV・三木眞一郎)

「あ、後で酷いからね」

「また連絡するよ。それじゃ」(しつこいようだがCV・三木眞一郎)

名雪は走り去った。追跡者も走り去った。

「どうして俺の周りは変なのが多いんだ?」(くどいようですがCV・三木眞一郎)

くいにげ、銃刀法違反、記憶喪失、自由に外を歩ける不治の病少女、触角、天然ボケ。

「俺の行いが引き寄せるのか……悪い冗談だ」(いや…本当にCV・三木眞一郎)


用語解説

 

忍者竜剣伝
ファミコン時代のアクションゲームの傑作。近頃最新作を製作中。
王大人
世界最強の医者。溶岩に落ちた人でも治療できる。
モサド
イスラエル情報局の事。真琴の持っていた武器が全部IMI(現TAAS)製だったので祐一はこう思った。
エロゲー三種の神器
作者の独断と偏見で決定。一般的な見解からそう遠くないと思うのだが…。
実際にはほとんど生息しない。