第三話

ある晴れた昼下がり

 

前回までのあらすじ

 

脱出を急ぐ祐一たちの前に現れた最強の敵

追跡者

真琴が倒れ、あゆが倒れ

そして祐一と名雪は追い詰められる

死を待つだけの二人

名雪は自分を犠牲にして祐一を助ける事を望んだ

崖へと落ちていく名雪と追跡者

もしまた生きて祐一と出会えたら、7年前に言えなかった事を言うよ

それが最後の言葉だった

泣き崩れる祐一

そんな話を書きたいと思っているが本当はこう

人悶着のすえに商店街に辿り着いた二人

そんな中で火事場泥棒にせいをだす真琴と再会する

狂気の形相で銃を向けてきた真琴を拘束する事に成功する

次にめぐり合った少女、あゆ

彼女はこの街で行われている陰謀について話そうとするが暗殺者の弾に倒れる

そして現れた追跡者

その結果、名雪とはぐれた祐一の冒険はまだ終わらない

現在の装備・状況

祐一
マテバM2006M・弾薬×99
グロック21・弾薬×40
デザートイーグル・弾薬×40
名雪
LOST・所在不明
佐祐理
LOST・所在不明
LOST・所在不明
真琴
商店街にて追跡者の足によって死亡
あゆ
商店街にて狙撃者に撃たれ死亡

「はぁ…はぁ…はぁ…」

必死で森を駈ける。手には357Mag弾を握っている。

後ろから何も来ていないのを確認してからマテバの弾倉を引き出す。

金属音を立てて6個の薬莢が地面に転がり落ちる。

空になった弾倉に弾を挿入し、引き戻す。焼けるように熱くなったシリンダーが今までの戦闘の激しさを物語っていた。

これでもう何度目だろう。グロックはとっくに使用を諦めた。(45口径でダブルカーラムは俺の手じゃ大きすぎた)

名雪と分かれてからというもの、何度もゾンビやナマモノ犬、猫に襲われた。

なんとか森まで辿り着いたものの、全身に打撲やら切り傷をこしらえてしまう。

「疲れた…」

鞄に手を伸ばす。中から取り出したのは3分間チャージの流動食。普通の物なら胃に入れたとたん吐いてしまう。

口に咥えながら、更に鞄から弾薬類を取り出す。

手持ちの弾薬も心細くなってきた。ジリ貧だな。

…名雪と別れたのがまずかったのか…。あいつがいれば獣系なら手なずけただろうに。

だるー。疲れた。眠い。

いったい今まで何匹のナマモノをなぎ倒してきただろう…。

眠い…。ナマモノが一匹…ナマモノが二匹…ナマモノが三匹…ナマモノが四匹…ナマモノが五匹…

  

睡眠中

 

……寝てしまったのか。…………。

「……………………光栄だな。美少女諸君」

こんなに大勢の美女に囲まれたのは生まれて初めてだ。美女万歳。

例えそれがナマモノであろうと嬉しい……………わきゃねーよ!!!ぶっ殺す!!

構え、安全装置解除、狙い、マテバが火を噴く。轟音。

6発の弾丸の内3発がゾンビに命中した。命中率5割。ちっ!俺の腕じゃこれが限界か!

だが当たれば威力は凄まじい。弾丸は見事にナマモノの絶命に成功する。

「あー」

「うー」

「いー」

だ、駄目だ。物量戦で攻められたら圧倒的に不利だ!!

逃げるべし。こ、こんなナマモノ軍団に追いまわされるなんて。

「やばいって!やばいって!」

走る走る走る……………………こけた。後続に控えるナマモノ軍団。

「な、ナマモノに襲われる!!!」

び、美少女に教われるなんて幸せだけど幸せじゃない!!ひー、ナマモノに接吻される!!

ナマモノに唇を奪われるのを覚悟したとき、前回と同じようにゾンビの頭が派手に吹き飛ぶ。

顔に降り注ぐ肉片、血飛沫。………涙……どうせなら…掛ける方に回りたい。(誰に何をだよ!?)

「ま、また佐祐理さんか?」

だが、まわりに…見える範囲に姿が見えない。狙撃か?

一定の間隔でどんどんゾンビが数を減らしていく。弾着と音がずれていないから近距離からの狙撃だろう。

俺もこの状況を利用してマテバに弾丸をこめる。

しかし火を吹く機会は与えられなかった。ゾンビは全て地に伏せていた。

「ご無事ですか?」

「ひっ!」

背後から小声。銃弾は前から飛んできたはずなのに!!!

「相沢さん。命の恩人に対してずいぶんな態度ですね」

「あ、あ、あ、あ、あ」

「喘いでいるのですか?」

「天野!?いつのまに後ろに回りこんだ」

ぜ、全然気配を感じなかった。だいたい狙撃位置から来るには速すぎる。

「今です」

「け、気配をまったく感じなかったぞ。せっかくだからもっとカッコいい登場の仕方をしろよ」

 

カッコいい?登場の仕方

 

歌は良いよね

ワタシハオオイシクラノスケダ!!

俺の名を言ってみろ

久しぶりだな、兄弟!

どうした天使

名前など無い。お前と同じだ

だが…日本じゃぁ二番目だ

ジークフリード、何て俗な名だ

世の中に不満があるなら自分を変えろ

 

「スナイパーとはそういう者です」

やっぱり狙撃主は天野だったのか。

「す、スナイパーか。確かに天野のキャラと相性抜群だな。地味だし、落ち着いているし」

スナイパーの条件。どれか一つを満たせばよい。

美女。寡黙。冷静。軍人。13。根暗。

「……とりあえず助けたお礼を言うのが先決だと思うのですが」

「あ、すまん。助かったよ。もう助からないかと思った」

「私には随分余裕があるように見えましたが。こんな状況で昼寝をできるくらいですからね」

ね、寝顔を見られた!俺の寝顔を見られた!

「不可抗力だ。しかしモーゼルか。また渋い銃だな。狙撃するならバーレットのアンチ・マテリアル・ライフルがいいと思うぞ」

天野が手にしていたのはモーゼル98小銃だった。

「モーゼルではなくマウザーです」

いや…英語読みかドイツ語読みかの違いだけじゃ。タイガーとティーゲル、パンターとパンテルみたいに。

そういや某ゲームでは攻撃呪文でティーゲルってあったな。DOSなのにわざわざ声まで入れたし。

「それにあんな重い銃を持ち歩く気はありません」

「ま、旧式デバイスに対する熱きノスタルジーを捨てきれない奴はいくらでもいるもんだ。それに渋いから天野にぴったりだしな」

俺?俺のはメカに対するピュアな愛情!!

「私も相沢さんが逃げ回る姿はとっても似合っていると思いました」

「…………言うね」

本当なら 見物してないでとっとと助けやがれ! と怒鳴りつけたい。でもしません。銃を持っている人を怒らせたらいけません。

「根が正直なものですから」

「とっても正直だな。良くも悪くも」

「そういや何で制服を着てるんだ。こんな状況なら長袖長ズボンがいいと思うんだが」

「私…立ちCG制服しかありませんから」

「…ごめんなさい。本当に…ごめんなさい。あやまって済む問題じゃないが、ごめんなさい」

あっても一種類だぞ。って言った方が良かったか?いや…慰めになってないな。

「頭を上げてください。相沢さんが悪いわけではありせん」

「ああ」

俺達は歩き出した。

「………………」

「………………」

あれから会話が途切れた。何を話したらいいものか…。

「………………」

「………………」

沈黙。

「………………」

「………………」

沈黙。

「………………」

「………………」

沈黙。…辛い。無言は辛い。霧亥と旅をしたらこんな感じなのだろうか。

「相沢さん…」

「な、何でしょうか?」

予想外だ。まさか天野のほうから話してくるなんて。

「はにわ顔と…土偶顔は…どう違うんでしょうか?」

「…………さあ?」

わからない質問だった。それ以上に天野の事がわからなかった。

「私は…もう行きますから。相沢さん。くれぐれもご無事で」

「え…ああ…天野もな」

正直ホッとした。このまま一緒にいても何を話して言いかわからん。

あれ…消えた。一瞬しか眼を話してないのに。…謎な奴だ。

それからしばらくは平穏だった。ナマモノたちには襲われはしたが、散発的に単体で襲ってきたので撃退は楽だった。

しかしそんな俺の前に強力な中ボスクラスのナマモノが姿をあらわした。こいつは強敵だ。

「相沢じゃないか。こんな所で出会えるとは奇遇だな」

距離は約5メートル。する事は一つしかない。マテバの安全装置解除。

パンッ!

「ヒゥ!」

パンッ!

「オー!」

パンッ!

「アゥ!」

パンッ!

「止め!」

パンッ!

「ノー!」

ガシッ!!(マテバのシリンダーを掴んだ音。これだと撃てない)

「な、何をしやがる相沢!?」

「………………」

ガシ(グロックを掴む音)。

「おい!」

カチ………………弾が入っていなかった。

「チッ」

「チッって何だよ!?俺を殺す気か」

デザートイーグルにしときゃよかった。弾が確実に入ってたし。例え肩が外れようとも。

「説明しろ!」

「いや…北川の事だから、てっきりゾンビになっているかと思って」

それが正しい北川の正しいありかただ。もしくは黒幕のセコイ手下。(仲間のふりして裏切るとか)

「会った時から人間の言葉を喋っていただろうが!」

「だって…北川なんだぞ!北川なのに!お前は北川だ!それなのに!」

人生に悲観しているあゆ。よく喋り、口が悪い舞。腹黒い佐祐理さん。純情可憐な真琴。マッチョな栞。ヤンママ秋子さん。

それぐらいイカレてる!!くそっ!見てみたいぞ!

「説明になってない!!そんなに俺がゾンビになってなきゃ駄目か!!」

「わかった。俺が誤解していたようだ。……北川…絶対に生きていると信じていたぞ」

く、苦しい。自分に嘘をつくのがこんなに苦しいなんて。

「何故台詞がぎこちないんだ?相沢…俺のことをいったいどんな目でみてるんだ」

脇役。モブ。その他。男。触角。立ち絵一枚。

「愛してるぞ」

「………俺もだ」

「…………………………」

「…………………………」

「俺が悪かった。ごめんなさい」

「俺も悪かった。すまん」

「気にしないでくれ。それよりも先を急ごう。もうすぐで町から抜けられる」

森が切れた。…助かったのか。それとも町の外も?

「止まれ!!」

突然スピーカで拡大された声、そして森を包囲するように陣取っている軍隊。

自衛隊?殺気だって俺達の方を見てる。そして彼らの近くには大量の死体。

ちょっと待て!この町はキエフか!スターリングラードか!!

「君達がここを出る事は許されない!命令に従わない場合は射殺する!」

「ふ、ふざけるな!死ぬ思い出ここまでやってきたんだぞ。今更魔女の婆さんの鍋底に帰れるか!!」

もっともだ。町から逃げないと。その為にもとりあえず奴らの反応が見たい。ならばやる事は一つ!

北川を思いっきり突き飛ばす。当然前方に向かって。こいつがいてくれて助かったよ。

パパパパパパパパパパパ!

自衛隊の5,56ミリ弾使用89式小銃が火を噴く。

瞬く間に11発の弾丸が火竜の如く北川の体内に侵入する。威嚇射撃もないなんて!切羽詰ってるな。

「あすかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

尊敬するヒーロー宮内さんの真似をして叫ぶ。別に北川はどうでもいい。俺の下であがけ。

「あ、飛鳥って誰だよ!?」

…ずいぶん余裕があるようだ。まだまだ利用できるな。

「毎週銃弾をぶち込まれる人だ。どうして生きている」

さらに付け加えるなら、科学者で、山男です。

「水瀬のおばさんから防弾チョッキを貰ってたんだ」

「…軽量高速弾をあんなにくらっても平気なのかよ…」

「慣れてるから…。どうでもいいが俺達が馬鹿な事を言ってるから自衛隊の皆さんが殺気立ってるぞ」

「やばいな…」

真面目そうな軍人さんたち。ボケられるのは慣れていません。

「抵抗したら無駄死にするだけだって何でわからないんだ!!」

………話がわかる人も一人くらいはいたようだ。

あ…でも他の人たちは睨んでる。あ…もう駄目だ。こんな奴無視して逃げりゃよかった。最悪こいつを囮に…。

クソ―!!!こんな事になるんだったら…せっかく自衛隊の皆さんがいるんだからUSP乱射しながら特攻したかった。

そんでもって最後の一人に銃口突きつけて 悪く思うなよ とか言いたかった!!

あーもう!!ゴジラに対してはまったくの無力の癖に!!(いや、関係ないだろ)

ついに射撃準備が始まった。全員が銃を構え直した瞬間、自衛隊の盾に大穴が空いた。

さらに穴は人間、そして後部に控えていた装甲車にも広がる。そして爆発。

し、焼夷徹甲弾!?さらに爆発が起きて隊列が乱れ混乱が起きる。自分達が撃たれるなんて思いもしてなかったのだろう。

これは狙撃か!?いったい誰が?狙撃…もしかして…。あいつか…。

 

「私…いつも相沢さんを見ていますから」

 

な、なんだ。背筋がぞくぞくする。爬虫類に睨まれてるようだ。

「と、とりあえず逃げるぞ!」

「ヒー!!」

必死で走った。本当なら目玉のおまわりさんのように国家の走狗どもにデザートイーグルを乱射したかったが。

「さ、さすがに森に入れば安全だな」

「ナマモノは…一杯いるけどな」

息絶え絶えだ。心臓が急ピッチで全身に血液を送っている。水が欲しい。

「や、やっと見つけたんだから」

「名雪…」

一難さってまた一難。名雪の顔はとっても怖い。無理も無いか。

「よう、遅かったじゃないか」(CV・山寺宏一)

ちょっと待て、俺!無意識に台詞が出たけど…殺される気満々?

「死ぬわけが無いよ。祐一だけは絶対に許さないから。7年前の恨みも一気に晴らさせてもらうから」

そ、そんな今更。時効だ時効!

「いけっ、ケロピー弐号!!」

け、けろぴー。家に取りに帰ったのか?つーか行け―って事は前作みたいにハサミで!?

「は、ハンターγ!けろぴーじゃないって!」

…嫌だよ。とっても嫌だよ。ぬるぬるっとしたナマモノが名雪の後ろから出てきたよ。

どうやって飼いならしたのよ?だいたいカエルがベースなのか?

「き、北川頼む!」

「何っ!!」

横でへばっていた北川の手を引っ張って俺の盾にする。当然の判断だ。命、大切(自分と女)!

「あおう!」

第一撃は爪で引っかき。北川の胸に大きな傷。

「べぐし!」

第二撃は爪突き。北川の肺に大穴が空く。

「もうあかん…」

なぜか関西弁。第三撃は…………刺さった爪を思いっきり北川ごと自分に引き寄せて。

「き、北川が丸呑みにされた!」

言葉のどおりです。彼の終着点はハンターγのウンコです。悲惨な死に様DEATH!

「北川君を巻き込む気は無かったのに…残念だよ。さて…次は祐一の番」

けろ…ハンターγが俺を睨んでる。(いや表情はよくわからないんだけどね)。弾を込めようとしても死ぬ。逃げても死ぬ。

大ピンチ!!デザートイーグルを使うか…駄目だ、絶対に当たらないだろう。

「行けー、けろぴー」

同じ女を抱いたら穴兄弟。じゃあ…同じナマモノに食べられたら何兄弟になるんだろう?北川と兄弟なんて…。

「ミナセ……」

この声は!!追跡者さん!(自分を助けてくれるならナマモノでもさんづけ)

最高のタイミングだ。さ、最強のストーカーが来た。助かった!

「うーあと一歩だったのに。逃げるよけろぴー!!」

脱兎の如く走り去る名雪。それについていくぬるっとしたナマモノと顔面神経痛ストーカー。全員が実写だとアゴが割れている人並に速い。

「た、助かった」

あのままハンターγと戦う事になっていたら、8割くらいの確率で北川の後を追っていただろう。

北川の犠牲に感謝。りっぱなウンコになってくれ。地に花を咲かせてくれ。

 

移動中。行動委任。

 

「相沢君!!」

前から誰か走ってくる。あれは…香里&栞!

「香里、栞、生きてるか!?」

「ええ」

「なんとか」

…どうしてだろう。急に赤い扉を選びたくなった。せっかくだし。

「無事でよかった」

それはとつぜんの出来事だった。

林の影から突如現れたゾンビ。そしてそれは栞の側だった。

マテバを構える…が、撃てない。いや、自信が無い。栞に当たるかもしれない。

間に合わない!ちくしょう。ゾンビがストールの上から噛み付いた!!このままじゃ!!

「祐一さん!助けてください!」

「栞!!」

「大丈夫よ。こんな事もあろうかと栞のストールには合金の鎖が縫いこんであるわ」

「なにッ!?」

「あの程度の攻撃ならびくともしないわ。本当は12000枚の特殊装甲を仕込みたかったのだけど…予算が無くて断念したのよ」

「…そうだったのか。俺はてっきり…」

 

「くらえ!カノンヒロイン最強の技を。泰山妖拳蛇咬帯」

バヒョオオオオオオ!!(ストールが飛んでいく音)

「ゲェーッ!!し、栞のストールがゾンビに巻きついて、さらに粉砕した!」

 

「って思ってたのに…」

「とっても北斗な展開ね。解説はキンニクマン風だけど」

「……癖なんだ」

「それもいいけど、こんなのはどうからしら?」

 

[祐一]信じられない…栞のアイス食べたい率が400%を超えてるぞ!

[北川]アイスを…食ってる

[栞]うおおおおぉぉぉ!!

ビリリィィィーーー!!(ストールが破れる音)

[香里]拘束具が!!

[祐一]拘束具?

[香里]そう、あれはストールではないの。栞本来の力を私達が抑えるための拘束具なの。その呪縛が今ときはなたれた。私達にもう栞を止める事はできないわ。

[天野]栞さんの覚醒と開放。倉田さんが黙ってはいませんね。それともこれもシナリオの内ですか…秋子さん。

[名雪]始まったね

[秋子]ええ…全てはこれからよ

 

「……いいな、それ」

いい…とてもいい…なんかとっても面白そう。

「でしょ」

「それで、止める事ができないと言いながら、次の話ではあっさりとケージに拘束されるんだよな」

「そうよ」

眼に浮かぶようだ。栞が唸りながらアイスを食べつづける姿が。

「…いいですね…とっても…私の配役も絶妙です」

後ろから急に小さな声。

「どわぁあっぁあ!!天野いつのまに!?」

「今です。私の話をしていたようですので」

またしても気配をまったく感じず。

「頼むから気配を消して後ろから近寄らないでくれ…。心臓に悪い」

「私の信念ですから」

「とっても嫌な信念だな…。そのうち刺されるぞ」

忍者か…こいつは。くの一?とっても萌え?でも天野じゃ萌えないかも…。

オマエヲシッテイルゾ、ニンジャ!!オマエノナカマタチカラ、ワタシハジュッ、ドッ、ヲ、シュウッ、トクシタノダ。

…これじゃ間違った忍者か。

「ば、馬鹿な事言ってないで早く助けてください!」

あ、すっかり忘れてた。っていつのまにか押し倒されている!早くしないと、早くしないと!

「まてい!!そいつを押し倒して傷物にしていいのは俺だけだ!!!ナマモノふぜいが触れるんじゃねーー!!」

ゾンビの頭に狙いを定める。銃は危険だ。となれば!!

「……………」

後ろで銃声。服が裂けた。俺の。

「あ、天野さん?どうして?」

「援護射撃ですよ」

「俺に当たりそうなのですけど。何か怒ってますか?」

「何も」

何で…俺が…こんな目に。普通の人に…愛されたい。

「だから、馬鹿な事をしてないで助けてください!」

せ、背中が不安だがやるしかない。ああ…死ぬかも…味方の弾で。

「俺のシャドウスキル(足技)を食らえ!我が一撃は無敵なり!!」「唸れマーキュリードライブフォング!!」

ジルにも負けない見事なキックが決まった。ゾンビの頭がボールのように飛んでいく。

「お見事」

香里が感心したかのような目でこちらを見ている。

「当然!!大丈夫か栞」

体だけになったゾンビを栞から引き離す。こんな風にして良いのは俺だけだ!俺だけなんだよ!!

「……………………」

「どうした、安心して放心しているのか?」

「さ…」

「さ?」

「最低です!!女の子…それも可愛い女の子がが困っているのにこんなに気持ち悪い助け方するなんて!!」

「そんな…」

「嫌いです!!嫌いです!!もう顔も見たくありません!!」

そ…そんな…。俺は命の恩人なのに。普通ならここで

私…私…とっても怖かったです!!

とか言って胸の中で泣くのがセオリーだろ!

「それに私は、祐一さんに押し倒される気も傷物にされる気もありません!!」

「ま、待ってくれ!俺を捨てないでくれ!!」

栞が走り去ってしまった。後ろでは天野が妙にまったりとした顔をしている。

「嫌われちゃったよ」

何故か追いかけなかった。追いかけたら背中に銃弾がめり込む可能性が高いからだろうか?

「あの子も気難しいから。とりあえず追うわ。相沢君はどうするの?」

「とりあえず…脱出できそうなつてがあるからそこを頼ってみようと思ってる。香里たちも一口乗らないか?」

さっき思い出した。心当たり…絶対にこの町からの脱出手段を持っている人たちを。

「そうさせてもらうわ。でもその前に栞を探す」

「どうやって」

「発信機が取り付けてあるわ。寝言から秘め事までバッチリよ」

「人権って…知ってる?」

とっても聞きたいじゃないか!なんだよそれ!!俺にも聞かせろよ!!とは言えない。口が裂けても言えない!

 

@土下座をして懇願。プライドなど不要!!

A隙を見て受信機を奪う。

Bその程度で満足できるか!香里を抱きこんで、部屋にカメラを仕掛ける。

C紳士にそのような物は不要!!

 

な、何で選択肢が!俺は何もそんな事は考えてない!!俺は下衆じゃない!!俺は紳士なんだ!!

「何それ?食べられるの?」

僕はそんな香里さんが大好きです。

「いいや……。じゃあ俺は探さないといけない人がいるから、後で合流しよう。どこで落ち合う?」

「無線機があるから渡しておくわ。これで連絡をとりましょう」

「アイアイサー」

「それじゃ行くわ。せいぜい気をつけなさいよ」

「待て。無線機の礼にこれをやるよ」

余剰拳銃、ジェリコを手渡す。もちろん弾もつけてだ。

「助かるわ。それじゃまた」

「天野はどうす…ってまた消えた」

どこに消えたんだか…。ま、天野のことだから大丈夫だろう。俺は俺のやるべき事をやらないと。

「さて……佐祐理さんたちを探さないと」

 


用語解説

 

ワタシハオオイシクラノスケダ!!
私は大石蔵ノ助だ!!
ドイツ人が発音するとこうなる。詳しくは映画ベルリン忠臣蔵を見よう。
アンチ・マテリアル・ライフル
バーレットM82A1対戦車ライフル。口径12,7m。
アメリカ陸軍で軽装甲車両やヘリコプターを撃つ為に使用されている。
霧亥
BLAME!の主人公。無口。無表情。無感情。
彼の無口のせいでこの漫画は謎だらけである。
宮内さん
俳優、宮内洋の事。完全無欠のヒーロー。
代表作・怪傑ズバット・仮面ライダーV3等
ハンターγ
アンブレラ英国支部で作られたハンター。
両生類をベースに作られている。丸のみ攻撃が印象的な敵キャラ。
泰山妖拳蛇咬帯
北斗の拳で、拳王配下・ヒルカの使用した技。
布が相手にむかって飛んでいき巻きつく。
なんでも拳王配下最強の拳だとか。ケンシロウにあっさりと破られる。
くの一
女忍者のこと。
くのいちがメインのエロゲーは何かないかね?
実写だとアゴが割れている人
某アニメのキャラクターを指している。実写だとアゴが割れた脂っこい外国人が演じている。
特徴は、マスク、サングラス、赤、通常の三倍。
よう、遅かったじゃないか
新世紀エヴァンゲリオンで某キャラクター(CV山寺宏一)が殺される直前に言った台詞。
なんだかこの作品、山寺宏一の台詞が多いような…