三章 欲望の守護天使(1)

 

 舞と知り合ってしばらくしたある日の教室。俺はほうけていた。

「なあ、名雪」

 俺は隣にいるいとこの少女に話しかけた。

「何?祐一」

「北川が居なくなって何日だっけ?」

 そう、ここ数日あいつは学校に来ていない。

「ちょうど1週間だよ」

「心配だな。まあギアナの大地で修行でもしてるんだろう」

「祐一、バカな事言わないで。香里もそう思うよね」

 名雪は香里にいった 

「ええ、そうね」

 あまり感心がないように思えたのは気のせいだろうか。

「もしくは永遠に行ったかな?」

「永遠?」

「何でもない、気にするな名雪。北川はそんなおいしいとこ持っていけるキャラじゃないさ」

「祐一の言ってることよくわからないよ」

 名雪が抗議の声をあげてると1人のクラスメートが俺に話し掛けてきた。別に名前が無くても話の進行上問題の無いやつだ。

「相沢君、あなたに誰か来てるよ」

「ん、ありがと」

 教室の外にでるとそこに見慣れた顔があった。

「珍しいな、そっちから来てくれるなんて。って言うか初めてか」

 そこには舞の姿があった。

「…この前借りたハンカチ返しに来た」

 そこには以前、舞のケガに使ったハンカチがあった。

「ありがと、でも夜に会うんだからそのときでいいのに」

 そう言った時、舞の首から血がでているのに気付いた。ということはまさか?

 すると舞は血の出ている烙印に指を当て、そのまま首を刈り取るような動作をした。そしてそのまま教室を出ていった。俺は教室にいる連中の唖然とした様子を背に慌てて舞を追いかけた。

「おい、さっきのは何だったんだよ?もしかしてあのときみたいな奴が教室にいるっていうのか?」

 そう…以前みたいな人間が変化したやつが。その後舞の顔をみて俺はドキっとした。そのときの見た顔は今まで見たことないほどうれしそうだった。

「そのうち…わかる」

 うれしそうにつぶやいた。

『そのうち戦うことになる』そういうことなんだろうか。しかし一体誰だと言うんだ。しかしその後、舞は何も言わなかった。

 仕方なく俺は教室に戻った。しかしさっきのことをどうやってクラスの連中に説明すればいいんだ?自然と足取りは重くなっていった。

 教室に戻るとみんなが俺の方を見ている。まあ、仕方ないだろう。俺は黙って自分の席についた。

「さっきの人祐一の友達?ケガしてたの?ちゃんと保健室に連れて行ったの?」

 名雪が聞いてきた。さっきの有様をみてこれとは、もっと気にすることがあるんじゃないのか。そんなことよりも気になるのが、この中に人間以外の物が居るかもしれないと言うことだ。いったいあの化け物共は何なんだ?

 そして放課後になってからのことだった。

「あの…相沢さんいらっしゃいますか?」

 今日は客が多いな。そう思って見たの先には一人の少女が立っていた。

「栞」

「相談があるんですけど」

 いったい何だというんだろうか?