鷹の団

 

舞が佐祐理ときり始めてわずかの間に舞は何回も浅く斬りつけられていた。舞は一撃も当てられない。

「すげー」

佐祐理は舞の大剣の打ち込みを挿絵のとうりの細身の剣…しかも片手でいなしている。やっぱりこの人は半端じゃない。

「日を改めますか?体がなおってからでもいいですよ」

佐祐理が余裕をもってそう言う。

「五月蝿い」

再び切りかかる舞だが一撃も当てることができないでいる。

「あいつまた…今度はやるわよ」

そう言って真琴、他数名がかけ出てきた。

「待て!」

今度は俺が前に出てくる。

「佐祐理さんの命令だ。手を出すな!」

真琴を止めようとみを乗り出す。

「祐一にそんな事言われたくないわよ!」

すると今度は剣を真琴の首筋にむけた。

「佐祐理さんの命令は絶対だ」

俺の目は本気だった。

「あうー」

真琴はさすがに諦めたようだ。

しかし真琴が乱入しなくても佐祐理の優位は変わらなかった。そして舞は剣で形成不利が覆せないと踏んだかいきなり目潰しをくらわした。

「あっ」

佐祐理がひるんだその瞬間、舞はおもいっきり剣を振り下ろした。

が、そこで信じられないことが起きた。佐祐理が剣をかわしその上に着陸した。

「無駄無駄です」

なんてこと言うんだ佐祐理さん。

そしてその後色々とあって結局は舞が肩の関節を抜かれて勝負が終わった。

「立て、立つんだ舞」

しかし俺の叫びも届かず舞は立ち上がらなかった。

「これで舞は佐祐理のものです」

その台詞に他の団員が反応した。

「今から舞は鷹の団の一員です」

団員達が喜ぶ中で一人真琴だけが不服そうだった。

「ふん」

 

そして数日後、鷹の団に仕事の以来がきた。

仕事とは同人誌即売会の徹夜組みを蹴散らすことだった。

「秋子さん…なんで戦いの聖地で同人誌即売会やってるんですか?」

ふざけるにもほどがあるぞ、これ。

「人がいるところにオタクあり。オタクあるところに同人誌即売会ありです。これはこの世の真理です」

目がマジだ。秋子さん。

「…そうですか」

まあ理解できないことも無いな。

「そうです」

しかし戦闘の聖地でのオタク達か…そうとうに恐ろしい戦いが会場で繰り広げられるんだろうな。

そして佐祐理さん…俺はここではさんづけで呼んでいたようなのでそうするが、戦闘の説明をした。

徹夜組みは会場前に約2000。鷹の団は彼らを襲って蹴散らすこと。そして仕事が終わったら一目散に徹夜組みの真中を突っ走って城に戻る。

団員達に緊張は見られない。

そして最後に一言、しんがりは舞がするとの事だ。森の一本道を邪魔されて殺気立った連中を抑えるという、想像しただけでも恐ろしい仕事だ。

「やれますか?舞」

「命令だから」

冷静にこたえる。

「……そうです」

「勝利の栄光を佐祐理に」

舞…何いってんだか。だいたいその台詞いわれたガルマはシャアに騙されて死んじまっただろうが。

「祐一、今回ガンダムネタ多いね。」

足とか赤とかザクのことだな。

「まあわかりやすいからな」

へたに変なネタを使うよりはいいだろう。即死にしたけりゃ動くなよなんて誰もわからんだろうからな。

その後鷹の団全軍が出撃していった。会場の近くには2000人の徹夜組みが陣取っていた。皆が皆カタログをもって殺気立った顔をしている。もちろんテントは付き物だ、あとは鍋か。

そしてそこに鷹の団が突入した。

「な、なんだな」

「何がおこったでござるか」

徹夜組みに衝撃が走る。

「…なんでコミパの連中が出てんだよ」

縦と横のことだ。

「それは祐一。アニメにもなってDC版もでるからだよ」

アニメにDCね。

「関係あるのか、それ?」

コミパは関係ねーだろ。コミパは。

「わかりやすいと言うことだよ」

騎馬隊が何人もの連中を蹴散らした。そして止めになったのは燃え広がった火が徹夜組みの鍋用の燃料に引火して爆発を起こしたことだった。

「たいへんなんだな」

鍋の具が飛び散りテントは炎上し、コタツも燃えている。そして何故か仲間内で見るために持ってきたレア本が燃え、それにすがり付く人の光景。

これらのさまざまな阿鼻叫喚の地獄図に縦、横の狼狽がくわわり世にも恐ろしいことになっている。

ちなみに作者は徹夜したこと無いのでこの辺りは全て想像だ。

「こんだけやって会場は無事なのかよ」

あたり一面火の海だ。

「大丈夫だよ祐一。会場も要塞を利用しているから」

「なるほど」

俺達がそんなことを話している間に鷹の団は脱出にはいっていた。予定どうりに森の一本道を騎馬で走っている。

「やられっぱなしはいけないんだな」

「追うでござるよ」

そうして徹夜組みが騎馬で追ってきた。横を乗せている馬はなんだかとっても苦しそうだ。重いからな。

そして最後尾の舞に襲い掛かった。

「ジーク・ジオン」

「滅殺」

「逃げちゃダメだ」

「味勝負」

「UUURRRRRRRYYYYYYYYYYYYYYY」

「だよもん」

「あたたたたた」

「う。ま・い・ぞー」

「ニイイチンスラ」

「無駄無駄無駄無駄」

「エクセレント!」

「オラオラオラオラオラオラ」

「お前が欲しいー」

「ドモーン」

「がお」

「ししよー」

「俺の歌を聞けー」

口々に何か意味ありげな台詞を叫びながら舞に襲い掛かってくる。はっきり言って滅茶苦茶恐ろしい光景だ。

しばらくの間敵の攻撃を防いでいた舞だが脱出にかかろうとしたその瞬間。馬が敵の矢に倒れた。

「あっ」

「やったんだな」

舞が地面に転がり落ちる。

「覚悟するんだな」

舞がまさに切りかかれようとしたその瞬間。

「あわびゅ」

舞を襲っていた連中に矢が打ち込まれた。

そこには佐祐理さんが数人つれて戻って来ていたのだ。

「舞」

叫んで舞を自分の馬に舞を乗せた。

「行きますよ」

2人乗りで駆け出す。

「逃がさないんだな」

「逃げられないでござるよ」

辺りに怒号が響く。絵が無いのは幸いだ。いやマジで。

「なぜ来た佐祐理」

「喋らないでください。舌かみますよ」

「敵は足が遅いんだな」

「一気に叩くでござるよ」

確かに2人乗りでペースが落ちている。

「追いつかれる」

あと一歩で追いつかれる森が切れた。そしてそこには大量の砲隊が控えていた。

「に、逃げるんだな」

言った時にはもう遅い。大量の大口径の鉛球を打ち込まれて撤退を余儀なくされたのだった。

まったく恐ろしい戦いだった。…視覚的に。

戦いの終わったあと鷹の団は祝宴を開いていた。しかし舞はそれに加わろうとしないでいた。

「あ、いました」

「なにやってるんですか?こんな所で?来ませんか?」

「私は…いい」

舞は冷たく返事をする。

「あの…舞さん。わたし栞といいます。さっきはありがとうございました。すごいですね。あんな強いひと佐祐理さん以外には見たことありません」

「私は仕事をしただけ。気にしないで。あなた達もだ」

「まあそれでいいです。私、天野美汐といいます」

そしてその後、舞は皆に連れられ宴会に参加させられた。

真琴だけはつまらなそうな顔をしていたが。

そこで多くの団員から多くの言葉をかけられ舞は複雑な顔をしていた。

翌朝

「早いんですね」

「…美汐」

「どうですか?鷹の団は?やっていけそうですか?」

舞と美汐は2人で会話をしている。

「わからない。ここは何かが違う」

「そうですか。でもここには佐祐理さんがいますからね。あの人は普通の人とは違います。あの人は何か人とは違うものを持っていますから」

「……」

「その佐祐理さんがよんでいましたよ。行ったほうがいいです」

その言葉に反応して舞は立ち上がった。

「舞さん。ここならきっとあなたの居場所が見つかるでしょう」

それが美汐がそのとき最後に言った言葉だった。

舞が佐祐理さんのもとに向かうとちょうど水浴びをしているところだった。しかも画面にはご丁寧にボカシがかかっている。

…しかしリボンははずさないんだな…。

「祐一残念そう」

グサ。

「やかましい」

顔に出たのか。

「舞。どうですか一緒に」

佐祐理さんが舞を誘う。絵的にはいい。

「私はいい」

舞の顔は何故か赤い。

「まーそういわないで」

言って佐祐理さんが舞におもいっきり舞に水をぶっかける。

「あははー変な顔ですね」

その後数10分にわたって2人は水のかけあいのあつく激しいバトルを繰り広げることになる。

バトルのあと2人は座りこんでいた。そして舞が佐祐理さんの首からかけているものに気が付いた。

アレは…

「これですか。昔タイヤキ代を払えないで困っている女の子にタイヤキをあげたらそのお礼にくれたんですよ」

そういってそれを自分の前にもってくる。

「ベヘリット、別名覇王の卵というんです」

間違いないあれはベヘリットだ。しかし香里が持っていたのとは色が違うな。これは真っ赤だ。

「祐一それはねシャア専ようられば」

一発しばく。

「やかましい名雪。だまってろ」

また北斗風に叫びやがった。

「痛いよー」

しかし赤だったらなんでもシャアなのか。だったらりんごもカニも金魚も梅干も弐号機もファイヤーバルキリーもみんなみんなシャア専用じゃねーか。

「祐一がこわれたよー」

「…大丈夫だ。少し興奮しただけだ」

「ならいいけどー」

ベヘリットに関する説明を佐祐理さんが始めたので俺はだまった。これは聞かなくてはならない。

「何でもこれを持つ人は自分の血と肉と引き換えに世界を手に入れる運命なんだそうですよ」

「世界を…」

舞が胡散臭そうにそれを見る。

「いいでしょう」

そういって笑顔を作る。戦場にいるときとはまるで別人だ。

「なぜ昨日私を助けにもどった?」

「せっかく優秀な人材を手に入れたのになくしたくなかったからですよ」

笑顔でこういう台詞を口にする。

「……」

舞は複雑な表情だ。

「舞…私についてきてください。面白いのはこれからです。命をかけるほどに」

朝日が佐祐理さんを照らす。最高の演出だ。

「私は自分の国を手に入れます。舞は佐祐理のために戦ってください。舞は佐祐理のものです」

舞は何もいえないでいる。

「舞の死に場所は佐祐理が決めます」

それから数年後、舞は鷹の団斬りこみ隊長として剣を振るっていた。