死神と呼ばれるG
てなわけで俺はすっきりとまとまった昨日の話の続きを見ることになった。不本意ながら。
舞と佐祐理さんが話しているところに王様ご一行が通りかかってきた。中には北じ…北川も将軍の一人として参加していた。しかもその登場の様子は、まるで聖帝サウザーの登場の様だ。今にも誰かが 汚物は消毒だ― と叫び声をあげそうだ。
そして王様は佐祐理さんにねぎらいの言葉をかけそれを見た北川が面白くなさそうな顔をしている。そして王様の一人息子…王子久瀬が佐祐理さんに紹介されその場終わった。
その夜北川の部屋。北川が一人いたセバスチャンのような男にこう言った。
「Gを呼べ」
「あの死神をですか」
「そうだ。急げ!」
…Gって言うと当然あれか。
「ガンダムデスサイズだねー」
「違う!それはG違いだ。ゴルゴだ!ゴルゴ!」
「でも今回の話のタイトルはガンダムWの第二話と同じだよー。絶対にデュオが出てくるよー」
こいつは二のファンか…。序章の事といいこいつらは…。
「お前は何か大切な事が間違ってる…」
「私が悪かったよー」
「分かればいいんだ」
「ガンダムデスサイズじゃなくてきっとガンダムデスサイズヘルがでてくるんだね。その方がいいよー」
「………………」
何を言っても無駄か。そんな事をしていると北川はどこか別の部屋に移動した。するとそこには一人の男がいた。当然ゴルゴだ。
「デュオじゃないよー」
「だまってろ」
二人の会話が始まる。なぜか絵がさいとうたかを風の劇画になる。しかしこの絵のキャラに北川の触角をつけると違和感が…。
「デュオ―デュオ―」
「デュオデュオうるさい!」
こいつのデュオ萌え度は猫と同じなのか。
「いつからそこに?」
「お前が入ってくる十五分前からだ…」
「依頼者の下調べは完璧というわけか」
「用件を聞こうか…」
「この女…倉田佐祐理を殺してくれ。こいつは俺の地位を脅かす存在だ…ほうっておくわけには行かない」
…北川…お前に脅かされるほどの地位があったのか…。随分と出世したもんだ。どうせ薄氷の上にたった地位だろうが。
「デュオ―デュオ―」
「黙れ!」
シリアスに進んでる話に水を差しやがって。
「…やってみよう」
「おおー。ありがとうミスタートウゴウ」
泣くなよ…。しかも何故片言な日本語で話す。
「デュオ―デュオ―」
まだ言ってたのか。しつこいやつだ。
そして次の日。鷹の団は某同人誌即売会で警備の仕事に来ていた。そしてそこには王子久瀬もいた。
おたくひしめく会場のはずれで一人、劇画風男のゴルゴがボーガンのため仕打ちをしていた。
「ボーガンに以上はない様だ」
律儀な事にボーガンをかざす。当然 チャ っという効果音も鳴る。しかしゴルゴにボーガンは違和感があるな…。
そしてそんな中急に某大手サークルが突発記念本を出す事発表して会場がパニックになる(こういうことはできるだけしないで欲しいものだ)。そして鷹の団が整理に人を取られたている間に久瀬が一人走り出す。
狙いは当然限定本。その事に一人気がついた佐祐理さんがあとを追う。そして久瀬に追いついたその瞬間…。大ゴマで佐祐理さんの胸に矢が突き刺さる。
「佐祐理!」
後から追ってきた鷹の団主要メンバーが慌てて佐祐理さんの側に駆け寄る。
「佐祐理さん!しっかり」
「まずいですねこれは心臓に刺さってます」
舞があたりを見回すが当然ゴルゴは逃亡を済ました後だ。
「そう慌てないでください」
「佐祐理さん!矢は」
佐祐理さんは刺さった矢を引っこ抜く。鏃には何かが塗られている。
「これは…」
「毒ですね…。しかもかなり強力なやつです」
当ると肉がドロドロに溶けるとか…。それはジョジョか。
「じゃあどうして?」
「これが盾になってくれたんです」
佐祐理さんの手の中にはシャア専用ベヘリットがあった。矢が当ったのか少しへこんでいる。当らなければどうと言う事はない(そんなの言われるまでもないと思うが) というセリフも真っ青だ。
そして最終的に矢は久瀬に向かって放たれたという結論になって即売会はお開きとなった。
その夜。
「舞、来てくれましたか」
「佐祐理…呼んだか」
夜もふけた時間に舞は佐祐理さんに呼び出されて彼女の部屋に来ていた。
「佐祐理…何のようだ?」
「えーっと…」
佐祐理さんは一呼吸おいてから言葉を繰り出す。
「今日は舞にちょっと暗殺をっ…して…もらいまーす」
何故か顔が劇画っぽくなって話している。さっきのゴルゴ風の絵とは少し違うな。しかし何て人の悪そうな笑顔だ…。
「誰を?」
しかし舞はそんな事にも動じず話を続ける。もっと某クラスの皆さんみたいな反応すりゃいいのに。
「この国の第二王位継承者。シャッフル同盟軍団団長北川さんです」
知らなかった。北川はそんな役職だったのか。しかし名前からしてとにかく熱血系の暑苦しそうな(一部は例外があるだろうが)軍団だ。まあ戦闘能力はそうとう高そうなんだが。
「理由はこれです」
そこには佐祐理さんを狙った矢が握られていた。なんだ、この国が駄目になったとかいう理由じゃないのか。
その後も別に死体が運ばれてきたり、銃乱射したりすることなく話が進んでいく。要約すると北川が佐祐理さんを狙ったから北川を殺して欲しいとのことだ。
北川が犯人だとわかった理由は矢に縫っていた毒がカノンキャラしか持っていない種類だからだそうだ。佐祐理さんを狙うのは北川しかいないからってわけか。ちょっとまて、それって証拠になるのかよ。もしかしたら冤罪かもと思わんのか。佐祐理さんは唯我独尊な方だ…。
「やってくれますか舞」
「任務了解」
「ではそこにあるカバンから好きなものを一つ持っていってください」
舞が取ったカバンには双眼鏡が入っていた。これだけで人殺せって言うんかい。
そしてしばらくした後、舞は城の前にいた。しかも何を勘違いしたかメタルギア・ソリッドのスニーキングスーツを着用していた。当然バンダナも装備している。最初からなので無限の奴ではないが。
「なんであんな格好してるんだか」
今にも
「こちら舞…。祐一、聞こえるか」
とか言い出しそうだ。俺も
「良好だ、舞」
と言う心の準備をしておこう。
「それは単独での潜入任務だからだよー。ちゃんと最初の進入は水の中(堀の事)からしてたし。しかも初期装備は双眼鏡だけ。完璧だよー。きっと一人で任務を成功させられるよー」
「スネークは暗殺者じゃないだろうが!どうせなら別の奴やればいいだろうが。マーダーライセンス持った忍者とか」
…あれも暗殺者じゃないか。
「祐一わがままだよー」
わがままか?
「百歩譲ってもせめてディープ・スロートみたいな強化骨格のほうがいい」
あのどう見ても忍者には見えないやつだ。
「祐一、グレイ・フォックスって言わないと駄目だよ」
懐かしい名だ。
「そうだな。その方が響きがいい」
まあここで俺たちが何を言っても仕方ない。せめてお腹がへった時のためにこの特製のケチャップを用意しておいてやろう。あとコントローラーをなるべく平らな床の上に置いておこう。
「大切な物を忘れてるよー」
そうだ風邪薬を忘れていたか。
「何だ?」
「はい、ときメモのセーブデータ―入ったメモリーカード」
それは大切だ。しかし…。
「かなりやりこんだやつか?」
「サイコ・マンティスも納得できるやりこみ度だよー」
「そうか」
ならよし。なんだかわからない人にはどうしようもない会話してたが…まあいいだろう。メジャーなネタだし。
そんなバカなやりとりをしている間にも舞はどんどん奥まで潜入していた。しかし途中で見張りが動かなくて舞は先に進めなくなった。そこで舞は壁を叩いて音をだした。当然ゲノム兵…じゃなかった、見張りは
「ん!何の音だ!」
と反応してくれる。そして近づいてきて
「気のせいか」
そして舞は敵が後ろを向いた瞬間、一発ぶん殴ってから首を折って始末した。死体は他の敵に見つかって増援を呼ばれないように堀に投げ捨てられた(産業廃棄物じゃないから問題は無い)。こいつら鈍すぎ。
「そうだ。それでいい。戦闘の基本は格闘だ。武器に頼ってはいけない」
「そうだねー。武器を使うのは年を取った証拠だよー」
名雪も同意してくれる。まあ薬が切れたら容赦なくマシンガンで始末するんだけどな。俺は…。
そこまでは良かったんだが、舞は持参していたダンボール箱をかぶって移動しだした。しかも箱には同人誌印刷所の名前が。なめてんのか!馬鹿にするにも程がある。しかもそれを見た見張りは
「ただの箱か」
と素通り。ええーいこの城は同人誌印刷所の箱があっても自然なのか。ここはいったいなんだってんだ!
「祐一。落ち着いて」
まあ一回だけ
「じゃまだ!」
と箱を蹴られて、見つかった時の姿が笑えたから良しとするか。あの間の沈黙がいいな。
そして舞は遂に新型のメタルギアの元に…じゃなかった、北川の部屋にまでたどり着いた。
「お前を殺す」
そう言っていきなり切りかかる。
「お前は佐祐理の…またすぐに死ぬのか俺は…グフ」
死んだか?
「ギガン、ガッシャ、アクト・ザク、ガルバルディα」
…何でペズン計画のMSばっかなんだ…。
「しつこい」
「ペズン・ドワッじじじっじっじじじろっこ!!」
追い討ちするとわりとあっけなく死んでしまった。まあ当然か。デコイ・オクトパス並にあっけないな。前回は結構散り際に面白いセリフを言ってくれたんだが。今回はこれだけか。
その直後。
「誰だ!」
見張りに見つかってしまう。当然飛び道具を乱射してくるわ、仲間はやってくるわで手がつけられなくなる。こうなると対処しようがないので舞は逃げ出す。最終的にお堀に飛び込んで逃げ延びる。一発矢を食らってしまったが。
そして場面は切り替わった。鷹の団のメインキャラが食事をしている…が、何故かその店は今にもランバ・ラル御一行が入ってきそうな汚い店である。稼ぎが良くないのかね。こいつらは。
「祐一。ハモンさんはアムロの何処がいいんだろうね?」
「やかましい!話に水を差すな」
名雪は無視して鷹の団御一行の会話に耳を傾ける。
「佐祐理は今ごろ晩餐会でおいしい物たべてんだろうなー」
「堅苦しいだけですよ真琴」
「あうー」
「まったく舞のやつは何処で何してんだか」
「相沢さんそう怒らないでください」
「あいつは今日の演習サボったんだぞ。まったく」
などと会話をしている店に舞が入ってくる。それに気がついた俺が舞いに近づく。
「舞!今日は一日何をしていた。それになんだその格好は?」
「佐祐理は?」
「佐祐理さんは西館で久瀬さん主催の晩餐会だ」
西館って何なんだか?
「そう…」
「おい!話はまだ…」
しかし俺は矢傷に気がついたのか黙ってついていった。
そこで場面が西館に切り替わったがそこでは恐ろしい光景が繰り広げられていた。来賓者がダンスを踊っていたが…そのダンスはあの某ゲームをクソゲー不動の地位にのし上げた要因の一つ
暗黒太極拳
だった。
踊っている者は全身発光スーツを着込み謎の太極拳の踊りらしき動きをしている。ほかにも死体が浮いているような仕草や、雨に打たれてうつろな表情をしたり、制服を脱いだり。はっきり言ってやばい薬を用いた集団の会合。もしくはやばい宗教の儀式のようだ。さすが伝説になっただけはある。
しかも客の中に りゅんりゅん と語尾につける変わった生き物がいたり、会場の電話は終始かかりっぱなし。それにでると無言電 話が一時間続く。そして招待状には
会いたい
の一言が…。俺は会いたくありせん。
そして舞が西館に着くとそこには遠めに佐祐理さんと久瀬がみえる。…よかった二人の格好は普通だ。では二人の会話に耳を傾けてみよう。
「あなたはどこか不思議な方ですね倉田さん。平民出身だというのに貴族的で。それでいて他にもたくさんの顔を持っている。倉田さんの友人もきっとそんな魅力に魅せられて倉田さんについてきたんでしょう」
さっきまでのバカ話とはうって変わってシリアスな会話だ。
「あの人たちは優秀な部下です。でも佐祐理にとっては友達とは違います。佐祐理にとって友達とは自分の生き方は自分で決め、そしてそれを踏みにじる人は全身全霊をもって立ち向かう…それが佐祐理であっても…佐祐理にとって友達はそんな対等な人だと思ってますから」
でたよベルセルク屈指の名シーン。さすがにこれはギャグ化できなかったらしい。
そしてその後すぐに北川暗殺の報が流れ晩餐会は騒然となった。そして舞は佐祐理さんの話を聞いて何も言わず黙ってその場を立ち去っていった。