相沢祐一

 

   

鷹の団を含んだ国の軍隊が出征に出かける朝。朝食を取っていた鷹の団面々の中で悲鳴が起こる。

「なんじゃこりゃー」  

…俺の悲鳴だった。みると食べていたサンドイッチに黄色い物が。見覚えのあるあれは…。となりで名雪も顔を青くしている。

「誰だ!これを作った奴は」  

作った奴の話を聞くとどうも著名で差し入れとして持ってきたものらしいジャムを使ったのが原因らしい。…もうちょっと用心しろや。この前だって暗殺騒ぎがあったばかりだろうが。こいつらの危機管理能力はどっかの政治家以下か。そのうち毒盛られて全滅するぞ。

「大丈夫ですか祐一さん」

「ああ何とかな」  

佐祐理さんが優しく心配してくれているのに俺の反応はこれかい!ダニーやグレッグじゃないんだぞ。  

そしてこれが俺の災難の始まりだった。

城から軍隊が出発していき鷹の団もその中に現れる。彼らは鷹の団の軍歌らしき物を歌っている。

 

進め 進め ものども

邪魔な 敵を 蹴散らせ

目指せ 敵の 城へ

オゴレス 倒すのだ

   

…なんでボ○スカウ○ーズの歌なんだ。まあ で○え殿様あ○ぱれ一番 の歌じゃないだけましか。あっぱれ!ボンジュール。ボンジュール。ハ!ハ!ハ!ハ!ハ!ハ!ハ!天ぷら  

そんな俺の突っ込みも無視して一向はどんどん進んでいき敵の軍団が待ち構えている平原に陣を張った。  

しかしよく見てみると俺の様子が変だ。どうも朝食ったジャムが体を激しく蝕んでいるようだ。

「相沢さん。顔色悪いですよ。大丈夫ですか?」  

…無理も無い。

「何でもない」  

天野が心配してくれて声をかけてくれても強がっている。実際は相当に体調悪いんだろうけど。  

しかし無情にも戦闘が開始される。戦の流れは全体的に鷹の団が有利だった。しかしそんな中で俺一人はどうにも苦戦していた。まあ、あんな物食った後じゃ体の調子が悪いのも無理ないだろう。  

そしてなんとか敵を退けている俺の前に一人の男が立ちふさがる。見覚えのあるこいつは…。

「お前か。鷹の団ただ一人の男千人長は…」

「なんだお前は」

「俺は北川」  

こいつさっき随分あっけなく死んだと思ったらまた出番があるからだったのか…。ほんとにしぶとい奴だ。

「ギアナの大地での修行の成果見せてやるぜ」  

そういって北川は手に持っていたナギナタで切りかかってきた。何故ナギナタなんだ?原作では槍だったのに。

「祐一。あれはゲルググが使ってるやつだよ」  

名雪が教えてくれる…。どいつもこいつも…。

しかしそんなふざけた奴にジャムのせいで手も足も出ない。そしてだんだんと追い詰められていき、なぜかあった崖にまで追い詰められた。そして俺の喉元にナギナタを突きつけてきた。

「んー…お前はよく見ると随分といい男じゃないか。フフフひとつチャンスをやろう。ここでおとなしく捕虜になるなら殺さずに生かしておいてやろう。ただし俺の男になってもらうが」  

この野郎かなり調子にのってやがるな。まるでディオ様のように余裕を持った態度で話し掛けてきやがる。

「ホモが!!」

「なら死ねー」

そう言って北川はガトー少佐…当時は大尉か…のように俺に向かって切りかかってくる。やばい避けろ俺!しかし俺は動けないのか

その場に立ちすくむ。そしてナギナタが当るかと思われた刹那。

「しっかりしろ。祐一」

「舞…」  

そして北川のナギナタを簡単に弾き飛ばし一発剣をぶち込む。しかしそれは致命傷にはならなかった。

「貴様―」

「来い。私はいま気分が悪い…」  

あの佐祐理さんと久瀬が話しているところを見て以来舞は機嫌が悪い。まあ仕方ないとは思われるが…。

「んー。今の一撃よく受けたな。だがこれはどうだ北側家に百四十年に渡り伝承されし最大奥義!!」

そういうと北川は構えをとった。

「くらえ!爆熱ゴッドスラ…!!」  

しかし技名を出し終わる前に舞は北川に思いっきり切りかかる。この話はどっかの格闘漫画ではないので技名言い終わるまで待つ必要はない。あわれ北川死んではいないがぼろぼろである。それでも北川は技をだそうとする。

「…ば…ばくねつ…ほげえ」  

もう一発舞にどつかれる。はっきり言ってあれだけでかい事言っといてかっこ悪いぞ北川。まあこれがいつもの姿か。

「爆熱ゴッドスラ…何?」  

おそらく爆熱ゴッドスラッシュだ、舞。

「どうした祐一?いつもよりずっと情けない。気を抜いているとやられる…」  

しかし俺は北川がやられて気が抜けたのかそのまま倒れこむ。そして倒れていく場所には崖がある。

「祐一」  

舞はそれを助けようとするが、しつこい北川がボーガンを舞いに向かって放ちそのせいで舞は崖から転落してしまった。

「相沢さん!川澄さん!」  

天野が駆けつけるが舞はそのまま落下してしまった。  

そして舞はがけ下にあった川に落ち、そのまましばらく流されたが何とか俺を連れて這い上がった。そして意識を取り戻さない俺を連れて偶然近くにあった洞窟で一晩をあかした。  

そして次の日の朝…。

「起きたか…祐一」  

舞は俺が川に落ちそのまま一晩目を覚まさなかった事を説明した。

「…情けない。お前にだけは…助けられたくなかった…」  

随分と舞を嫌ってるな…俺…何も泣く事はないだろう。そしてしばらく沈黙が続いたが舞が口を開く。

「…祐一はどうして鷹の団に入った?」  

たんなる思いつきなのか意味があったかどうかはわからないが舞は俺に向かってそう聞いてきた。

「…佐祐理さん」  

この顔は回想モードと突入の兆しが…。

「え?」

「佐祐理さんだ」  

そしてその後俺はあゆが死んだ(まあ生きていたんだが)あと佐祐理さんと感動的な出会いをはたし佐祐理さんに着いていく事になった事、佐祐理さんが金のためにあの香里に抱かれた事(またかよ…この本こんなのばっかりだ)、そして佐祐理さんにあなたが必要だと言わせた舞に嫉妬している事などが語られた。このへんはネタ的につまらないのでカット。

「祐一…日が暮れたらここを出る」  

舞は俺にそう言った。そして夜。二人は山道を歩くが俺がだんだん遅れをとっていく。一晩立ったのにジャムの後遺症がまだ残っているらしい。ええーい、秋子さんのジャムは化物か。

「祐一、急げ」

「くっ…!!行くぞ舞」  

そう言って俺は歩き出す。あきらかに足手まといになっている。なんか味方が死ぬと自分も死ぬキテレツ大百科のゲームを思い出すな。

「あぁー私の恋はー南の―風に乗って走るわー♪」  

何故歌う?

「祐一、松田聖子の歌はやめろ」

「これは失礼」

何も緊迫感が感じられん会話だ…。っていうか俺って奴は…。なんかキャラ変わってないか。

「なんてったってアーイドール♪」  

だからって小泉今日子かよ!しかしそんな能天気な時間も一本の矢が二人の下に飛んできた事によって打ち破られる。慌ててみると周りが大量の敵に囲まれていた。その数およそ百人。

「どっからわいて出やがった?」  

すると敵の中から見慣れた顔が現れる。

「生きていたか!嬉しいぞ相沢ァ!」  

北川だった。

「しつこい…」  

同感。

「ぬかせ!貴様はただでは殺さんぞぉ。捕虜としてとらえて…北川家に200年に渡り伝えられし拷問術!悶絶電撃殺しで地獄を見せてやる。そして相沢はこの場で俺のものにしてやる」  

リボルバー・オセロットか…お前は。…それに前からいつも言おうと思ってた事だが…北川…お前出る本間違えてないか…ジャンル的に。やおいはやめろ。やおいは。女性向とは違うのだよ女性向とは…。

「やめておいた方がいい。祐一と北川じゃつりあわない」  

良いこと言ってくれるぜ舞。

「かかれぇ!」  

北川の掛け声がかかると同時に敵がいっせいに飛び掛ってくる。しかし二人は第一波を難なく撃退する。

「これ以上舞の手は借りん」

「わかった」

「ひるむな!二人以上で一気にかかれー」  

すると3人がかりで敵が舞に襲い掛かってくる。当然逃げ場が無くなる。やばいぞ

「おおぉぉ!俺を踏み台にしたー」  

舞は一人を踏み台にしてそのまま3人とも殲滅する。

「12人もの傭兵が全滅だと!3分たらずでか」  

…お前は髭親父か…。

「祐一…逃げろ」

「そんな事できるか」  

二人がもめているその時、俺に矢がはなたれる。しかし舞が盾になって代わりに矢を食 らう。

「…どうして…」

「病人は邪魔…祐一は佐祐理のもとへ…」

「かならず仲間を連れてくる…死ぬなよ」  

舞の様子に観念したのか俺はその場から離れる。

「にがすなー。アレは俺のものだー」  

何人かが俺の後を追おうとするが舞が立ちふさがる。

「とっとと死んで経験値になれ」  

剣を振りかざし一瞬で数人を派手に吹き飛ばす。しかし今の面白いセリフはなんだったんだ?

「うにゅううう…おのれー!ええいひるむな。あいつの首を上げた奴には通常の三倍の報奨金をだすぞ」  

自分でやれよ北川…。しかし敵はそれで勢いがついたのかいっせいに舞に襲い掛かってくる。

「ランスアタッーク」  

おい!…キャラ間違ってるよ舞。もっと別のキャラの必殺技にしろよ…。それはまずいよ…。  

舞が割と余裕を見せながらそんな事をしている間に俺はそのまま走りつづけ、捜索をしていた天野たちと合流をする事に成功する。そして状況を手早く説明して舞が戦っている現場に急ぐ。

「こっちだ越前」  

…急ぐ気あんのか…俺…。  

そのころ舞はさすがに物量に押されて苦戦していた。頑張れ舞。とりあえず逃げ回ってスキをみて半キャラずらしで攻撃するんだ。レベルが一個上がれば敵はザコに変わる。それまで耐えるんだ。

「祐一―それはイースだよー」

「半キャラずらしで木に押し付けるのが楽しいんだな。ここ森だし」  

そして天野たちが現場に駆けつけるとそこには大量の死体が転がっていた。戦いはすでに終わったらしい。

「百人近くいますね。これをたった一人で…」  

アムロも真っ青の撃墜数だな…。

「舞…!」  

死体に混じって舞がいた。生きてるのか…。

「舞!生きてるか?」

「……………」

   

さらば剣士舞!!まぶしい君の勇士を我々は決して忘れはしない!!さらば…そしてありがとう!!!

 

「…待て…祐一…勝手なモノローグつけて抹消するな…」  

生存が確認された舞はそのまま本陣の医者の下に運ばれる。急いでいたせいか少し乱暴に運んでいるように見えた。まあ重症なのにガンダムの手に握られたまま風にさらされて運ばれるよりはマシだろう。  

ちなみに俺の方は対処し様が無いので、毒(まあ間違ってはいないだろう)が抜けるまで待つしかないとか。  

そして現役復帰絶望を言い渡されたが天野の持っていた薬のおかげで現役復帰が可能になった。  

鷹の団の前には一つの要塞が立っているのであった。当然効果音にゴゴゴゴゴと鳴るぐらい凄い奴だ。