真琴の買い物

 

 帰宅の途中で偶然、真琴と出会った俺であった。  話によると、秋子さんに買い物の任務を言い渡されたらしい。俺は、ついでに俺の買い物を頼んだ。

「じゃあ、おれのエロ本も頼む」

「エロ本?」

「知らないのか、エロ本を」

「どんな本?面白い?」

「面白いというか、便利だな。重宝する」

「重宝?」

「具体的に言うとゴルルコビッチ兵の動きを300秒止められる」

「止められる…ザ・ワールドみたいなもの?」

「全然違う。スタープラチナ・ザ・ワールドとも違うぞ」

「買ってきていいの?」

「そうだな。金渡すよ」

 俺はドル紙幣を数枚取り出すと、それを真琴の手のひらに乗せてやる。

「本屋の店員に、エロ本ください、って言え。たくさんあったら店員のお勧めでいいからな」

「うん、真琴も読んでいいよね?」

「お前が大人だったらな」

「うん、真琴、大人だよ」

「それから買ってくるのは一冊でいいぞ。無限バンダナで増殖するから」

「わかった」

「じゃ、家戻ってるから」

「うん」

 嬉々として駆けて行く真琴。それを見送ってから俺は再び歩き始めた。

 

 そして帰宅後。

「祐一―――――――――っ!」

 遠くで怒声がする。ということは、真琴が帰ってきた他に考えられない。

 エロ本の買い付けを頼んでおいて…

 

「スネーク、帰ったよ―っ♪」

 

なんて愛想良く帰ってこられても、それはそれで問題だ。

 どんどんどんどんっ!階段を勢いよくのぼる音まで聞こえてくる。

 どかどかどかどかっ!ばんっ!すべての行動が音だけでわかる。少しはゴルルコビッチ兵を見習ってほしいものだ。…知能は同レベルか。

「よぉ、真琴」

「よぉ、じゃない―――――――っ!真琴のなんて本買わせる気だったのぅっ!」

「買えたか?」

「一応」

 …買えたのか…よく店員に止められなかったな。

「ここに置いとくから」

 真琴はエロ本を俺の部屋に置いた。その瞬間俺は…。

「ふざけるな!」

 思わず叫んでいた。

「何怒ってるよ!怒ってるのは真琴よ」

「人が話しているときにエロ本を床に置くからだ!」

「エロ本ちらちら見ながら言っても説得力無いわよ!」

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