必殺の一撃
幸いにも爆発の被害は少なかった(火薬の量を綿密に調節したからだ)。
俺は鞄をとりに教室へ戻る。
その途中で、部活に行く途中の名雪と出くわした。
「お、いいところにいたな」
「どうしたの?」
「なにかさ、女の子を女の子らしく見せる方法ってないか?」
「…言ってることがよく分からないよ」
「言葉の通りだよ。バルカンレイブンのような女の子でも、可愛く見せる方法だよ」
「その子、バルカンレイブンっぽいの?」
「いや…レイブンっぽくはないけど」
「それなら、可愛いの?」
「………む…むむ…」
「…?」
「回し蹴りッ!!」
「わっ」
即答することができず、意味もなく名雪に回し蹴り攻撃を食らわせて茶を濁してしまった。
「大丈夫か?」
「うん…びっくりした」
当たっていなかたので、驚かせただけだった。
「でも、祐一がそんな照れ隠しするなんて思わなかった。可愛いんだね、そのひと」
「ばぁか、勘違いするな。とんでもなく女の子らしくないから、頼んでるんじゃないか」
「ふぅん、そうなんだ」
「とにかく、なにか考えておいてくれよ」
「うん、わかったよ」
何を、思ってることを心の内で留めているような嫌な笑みを漏らす。
俺のほうは不愉快だった。
「ふざけるな!!」
思わず去って行く名雪にまたまや回し蹴りをしてしまった。
…今度は命中した…。
さすが陸上部の部長…。
逃げても追いつかれた。