安全策
「…それはなに」
携帯食を片づけてしまうと、俺の手にしていたものに舞は目を移していた。
「見てわからないのか。銃だよ」
「…何に使うの」
「決まってるだろ。これで魔物と戦うんだよ。これでメタルギアごっこでもするかと思ったか」
「…戦うの」
「戦うよ。お前に助けられてばかりじゃいられないからな」
「…囮だけでよかったのに」
「わかってる。おまえはそう言うと思ってたけど、見てるだけなんて俺にはできないんだ。
囮だけやって、女に戦わせるなんて、猿に回される猿使いみたいなもんだからな」
「…お猿さん?」
「いや、お猿は関係ない」
どうも例えが悪かったみたいだ。
「とにかく戦わせてくれ。男として」
「……………」
考えているのだろうか。舞は黙ってしまった。
「で、作戦だけど…囮になるって、どうすればいいんだ」
都合よく、うやむやにしてしまおうと、俺は先手を打って切り出した。
「…なにもしないでいい。邪魔さえしなければ」
「……」
舞が返事をせず、代わりに剣をゆらりと構えた。
前触れもなく、俺達は戦いの場に身を置いていたのだ。
「もういい、後は任せて」
タッ…舞はそう言って駆けていった。
さあ俺も援護だ。とりあえず…
舞を麻酔銃で眠らせた。
いや、やっぱり一人のほうがいい。
ゲームオーバーの心配がない。