矜持

 

 今までもそうだったように、これからもそうであるように夜の校舎は静かった。

 だが俺たちはその校舎の、いろんな姿を見てきた。

 もう、俺たちを冷たい場所に置かないで欲しい。

 明日からは、穏やかに俺たちの学園生活を見守ってくれる姿であってほしい。

「悪い。もっと早くこようと思ってたんだけどな」

「……」

 構わない、といったふうに舞が頭を振った。

「残るは何対だっけ」

「三体」

「三体……多いな」

 これまでだって一晩で二体以上を葬れた試しはない。

「一晩で終わる数か…?」

「終わらせる」

「そうだな。終わらせような…」

 愚問だった。

 俺たちは、終わらせる必要がある。それだけだった。

 それに夜は長い。夜が白み始める頃にはすべてが終わっていることだろう。

「古いものだけど…」

 舞が、刃を下に向け、剣を差し出していた。

 見れば、舞は両手に持っていて、それはその一方だ。

「………」

 俺はそれを受け取り…

「刃物は俺の趣味じゃない」

「……………」

 無言で斬りかかるなんて……。何も間違ったことは…言ってないのに…。

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