俺は夜の校舎の中を走っていた。そして中庭に出た俺は魔物に向かってスティンガーを発射した。
「きりがない…」
その場に倒れこんだ。舞に頼まれ、何とか中庭まで魔物をおびき寄せた俺は限界がきていた。
俺の持っている中で最強の火気であるスティンガーを何発ぶち当てても効果がない…。今ので全弾撃ちつくしてしまった。
拳銃にいたっては弾き返されてしまう。刃物は俺の趣味じゃないから持ち歩いていないし。
エロ本も試したが見向きもされなかった。
こんなことになるなら舞が日本刀を貸してくれたときにつき返さなければよかった。後悔先に立たずか…。
「ぐわ……」
俺は魔物から一発くらって、雪の地面にたたきつけられる。
「何があったの?祐一!ゆういちぃぃぃ!」
こら名雪…まだ死んでないぞ…俺。あ、でももうダメかも。
「う…」
まずい。背中を打った。ショックで武器も飛んでいってしまった。
出血も激しい。レーションも全部使ってしまった。
俺は痛みで起きあがることもできずに、ただ、ごろごろと横に転がる。息をするのがやっとだ。
俺は、かすんだ目を必死にこらしてせめて逃げずに見ようとした。
眼前に迫る絶望を。
しかしそのときだった。
「ぬおおおおおぉぉぉ!」
な、何だ、このメタルギア・RAYを追って海に飛び込んでいきそう(もしくはノイエ・ジールで特攻)な叫び声は。
そして俺の目にうつったのは、月を背に、空高く舞い降りる影。
白く光る剣をかざして舞が飛ぶ。翻り、俺に迫る魔物の闇に、渾身の力で、斬りかかっていく。
その姿はどことなくヴァンプに似ていたような…。
「………せぃっ!」
そして舞は、俺の前に、凛々しい姿で降り立った。
「………」
舞は非常に辛そうな表情をしている。無理もない。天狗兵が飛び降りるよりも高い場所から飛び降りたのだから。
しかもCGを見るとあの態勢は高い所からのジャンプ攻撃には適していない。腕を折るのがオチだ。
「大丈夫か、舞!」
「………」
「どうした」
舞は何も言えないでいる。無理もない。それぐらい消耗しているのだろう。
「怪我でもしたのか?」
といっても止血剤ぐらいしか持ってないが…。やばいな…
「着地の衝撃でステルス迷彩が壊れた…」
舞はとても悲しそうな表情でそう言った。
…一瞬でも心配した俺がバカだった。