「美坂香里」

「え?」

栞の表情が目に見えて変わった。

「香里と名字が一緒だったんだ…」

エメリッヒとかキャンベルとかならまだしも、美坂なんてそうそうある名前ではないはずだ。

「……」

「もしかして、香里の妹か?」

「…えっと」

「それか、弟」

「本気で怒りますよ」

「冗談だよ」

「…お姉ちゃんを知っているんですか?」

 ということは、本当に香里の妹に間違いないようだ。

「ああ。偶然だけど同じクラスだ」

「そうですか…」

「うむ…悪くない……」

「何がですか?」

「食事に誘うには香里の許可がいるかな」

「本人の前で言う台詞じゃないですよ…」

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