「お名前は?」
天野は真琴の頭を撫でながら、再びそう繰り返した。さっきのプリスキンは聞かなかったことにしたようだ。今度は真琴であってくれ。
「あうーっ…」
「ほら、頑張って。お名前は?」
根気よく質問を繰り返す天野。口調はずっと穏やかなままだった。あんなことがあった後なのに…。
「ほら、お名前は?」
「あう………でぃ…」
「でぃ……?」
真琴が何か答えようとする。天野の努力が今度こそ実をなした様だ。しかし今度は でぃ ?
「ディープ・スロートとでも名乗っておこう」
…このアマ!くびり殺してやろうか。
「………」
天野もあきれて声も出ないようだ…。
「いや、ミスターXと言っておこう」
「ミスターX?どうした、なぜ言い直すのです?」
天野…ほかにもツッコムべきところがあっただろ。