俺は履き替えた上履きで、廊下を歩いてゆく。
「おはようっ」
北川だ。どうでもいい奴とはいえ、とりあえず挨拶だ。
「おはよう、北川。今日も相変わらず同じ服だな」
「お前だってそうだろ」
「俺のスニーキングスーツは特注品だ。予備はない」
「…そうか。だが俺の服は同じ服じゃないぞ」
「嘘つけ。どっから見ても寸分違わぬ同じ物じゃないか」
「裏側が違うのさ」
「俺なんか、つけてる武装が…」
「…くだらないことで張り合ってないで、ほら、石橋が来たわよ」
「勝負はお預けだな。北川」
「望むところだ。相沢」
「フフフフフ」
どうした名雪。自分で言うのもなんだが、たいして面白くない会話だったぞ。なぜ笑うのだ。
「どうした名雪。そんなに面白かったか?」
俺が聞くと、名雪は手振りを交えてこう言った。
「茶番はおかしいものだよ」
…こいつ…なんでこんな会話一つ一つにこんなレスを返せるんだ…。