僕が物書きである理由

 

『私がこのサイトで書いた小説は、ひどかった奴の続編の小説への復讐劇ともいえる作品で、
どちらかといえば私怨に近い動機で書かれた作品である。
つまり、生半可な作品しか作れない便所虫が偉そうにプロを名乗るなと。
これ以下の作品はやってくれるな、そういう作品である』

彼はブログで自分の小説についてこう語っていた。
彼も僕と同じネットで小説を書いている者なのであるが、僕と彼には決定的な違いがある。
それは、どうして物書きになったのか、ということである。
彼の場合は、上記に書いてあったとおり、

『とある小説家の書いた小説に対する不満を、自分流に直して正統派に仕上げようとした』

という理由である。
別にそれは構わない。
万人に認められる作品なんて、存在しないのであるのだから。
彼が復讐の対象に仕立て上げた小説とは、宇宙を舞台にしたSF戦記ものである。
MS、機動戦士、宇宙世紀という三単語を並べれば、その小説家の名前は大体の人が知っていることだろう。
あの小説家の書いた小説は何度かアニメ化されたり、さまざまな作家達の手によってリメイクもされている。
僕もあの小説家の本は読んだし、アニメも見た。
リメイクされた作品もすべて読んだ。
(もっとも、あの小説家の書いた内容とは、全くかけ離れたものであったが)

しかし、彼はあの小説家の書いた本の二作目の内容が気に入らないようなのである。
まあ、あの二作目の小説は人によっては傑作とも言えるし、または駄作とも言える作品である。
ちなみに、あの二作目が駄作と呼ばれる理由として、当時の製作状態が良いと呼べる状態ではなかったからだといわれているが、
僕はその理由は適切ではないと思う。
なぜなら製作側の状況と、作品の出来は切り離して評価するべきだと思うからだ。
誰だって本やアニメなどを見るときは、製作者を見ているわけではない。
見ているのはあくまで作品そのものであり、製作者ではない。
だから、作品と製作者は切り離して評価するべきだと僕は思う。

彼だってそこのところは分かっているはずなのだ。
分かっているはずなのに、何を不満に思っているのか、
ついに彼は正統派な続編を自分で作ってやると決意した。
それがあの長編小説である。
52話という長い話数をたったの一年で書き上げたというのだから、
その根性だけは認めてやりたい。

しかし、彼の書いた物語は、内容が妙に、かのもう一つの宇宙戦記ものに似ているのである。
ラインハルト、ヤンウェンリー、キルヒアイスという名を並べれば、その宇宙戦記もののタイトルは想像が付くだろう。
どうも彼はこの小説を基にして作ったというのである。
(大体、登場する勢力の名前も自由惑星同盟だし)
別にモチーフにするものがあったっていい。
ネットで書く二次創作というものはそういうものであるし、既存の作品の真似事やパラレルじみた小説なんて、
ネットを探せばうじゃうじゃあるのだ。
しかし、彼はそういう二次創作の作者という立場なのに、やけに自分の作品を自画自賛するところがあったり、
さらに、とある企業の社長を「業界チンピラ」などと罵っていたりする。
(彼自身もGIFアニメで会社を立ち上げたという話だが、真相は分からない。
彼の名前を検索してみたら、そんな会社なんて無かった。
ということはやっぱり嘘っぱちということだろうか?)

僕は別に彼の人格性を否定するわけではない。
人の人格は二十歳を越えてしまえば矯正なんて出来ない。
いくら文句や批判を言ったって、改心もしなければ、直りもしないのだ。
かつて僕も彼を批判していたこともあったが、
見事彼に便所虫&缶詰&ハカ(諏訪地方の方言で、馬鹿よりもさらに最低ランクの意味)認定され、
そして、とある掲示板の人に
「作者の人格性を批判するのはヲタのやることだから止めろ、見っとも無い」と言われたので止めた。
その時から批判するのは作品であり、作者ではないという結論に至った。
だが、流石に52話を一日かけて見るのは時間がかかるので、今は見ていないが。
そういえば、彼は自分の小説を英訳して世界中に公表するという大それたことをやろうとしているが、
果たして上手くいってるだろうか?
まあ、いい。
彼は彼なりに頑張ってるわけだし、そっとしといてやろう。
世界中の人が彼の小説を読んで感想を書いたその時になったら読もうと思う。
そのときが来ればの話であるが。

じゃあ、僕が小説を書く理由というのは何だろう。
僕は彼のように、特定の人物の作った作品への復讐というわけで書いているわけではない。
と、いうよりも、復讐程度の理由で物を書くなんて、実に馬鹿馬鹿しいことだと思っている。
実際僕も復讐のために小説を書いたこともあった。

しかし、それは書いている側も見ている側も気持ちのいいものだろうか?

見ている側は真剣に物語を読んでいる。
その真剣に読んでいる人達に復讐色に染まった小説を読ませて、
書いた自分は気持ちが良いか?
読んでいる人は気分が良いか?
そんな自問自答をしたことがあった。
そして最終的にたどり着いた結論は、

「自分の書いた物語を読んでくれる人達に面白いといって読んでもらうため」

これが僕が物書きである理由で、これからも物語を書き続ける理由だ。

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